第39章 闇を打ち払うもの
『神の力』の練習を馬車内でしていたようで、迷宮がその影響を受けてか
帰り道の58階層で、今までに見たことのないワイバーンが出てきた。
それは音速と共に衝撃波の嵐を巻き起こし、ありとあらゆる魔法も攻撃も…
その全てを、当たる直前に衝撃波の壁を造り出すことで阻み、悉く止めて無効化していた。
フィン「…さて…どう攻めたものかな」
ケイト「私に任せて」
リヴェリア「!馬車から出るなとあれほど
ケイト「いい考えがある!」
『?』
リヴェリア「…それは…本当にいいものなのか?」
ケイト「ああ。オラリオの発展には欠かせないものとなるだろう」
フィン「…ああ…テイムする気なのかい?」
ケイト「うん。だから…
力尽くでひたすら取り巻きの連中をバコバコしまくって、格の差って奴を見せつけてやる」にやり&ぐっ!
『……………悪ケイト』
ケイト「?何それ;」
悪い顔をしていることなど一切自覚も無く、純白のワイバーンに…
ドゴォッ!!!!!!!!!!
いや、その横の地面ごと他のワイバーンを吹き飛ばした。
ずおっ!
闇を身に纏い、周囲のワイバーンを近付ずとも瞬時に音速を超えた拳圧=衝撃波で魔石とドロップアイテムだけ残すよう消し飛ばしていき
僅か0.1秒で50匹近くいたそれが消え、衝撃波を使うワイバーンだけが残された。
「きゅっ!?;きゅおっ!!?;」え!?;何があったのっ!!?;
ドン「きゅぅ;きゅううう;」あーあ;可哀想;
急激な変化に頭がついて行かなかったようで、狼狽えながら冷や汗交じりにきょろきょろと辺りを見渡す中…
絶望が前へ前へと静かに歩み寄っていた。
背後が見えないほど深く、暗い闇を纏いながら…一歩一歩、静かに……
そして…それと共に、普段より一際低い声で問いかける。
ケイト「なあ…おい……」
「きゅっ!!?;」ビクッ!何っ!!?;
ケイト「地獄を見たいか?^^」黒にっこり&ぼきぼき←拳鳴らし中
「きゅうあああああああああああああああああっっっ!!!!!・・;」滝涙
テロップ『訳:ぎゃあああああああああああああああああああっっっ!!!!!・・;』
ワイバーンは底知れぬ恐怖のあまり、断末魔を上げながら地面へと頭を叩き付け、その場に伏した。
まるで土下座の如く命乞いをし、涙をぼろぼろと流して…;