第39章 闇を打ち払うもの
ケイト「私と一つになった精霊は、本当は1人だった。
それが2人に増えたから、全快×2=不死と形が変わったという感じ。
1人1人に分けて捉えると、全快って効果としても捉えられる。
あの場合は魔力不足に加えて、全快自体が魔力を下にしてるから追いつかなかった。
細胞の一つ一つに宿っているけれど、それは事実なんだけれど…←663,664ページ参照
実は、その効果は魔力を媒体に発揮されるんだ。
魔力に宿る精霊寵愛と形容したのも、それが理由なんだ。←515ページ参照
だから私の場合、魔力が無くなること自体が生命の危機に瀕することと同じなんだよ」
リヴェリア「なるほど。
不死(1097ページ参照)というのは…魔力が元となっているのか。
魔力不足で倒れた時(1191ページ以降参照)、死に掛けた時(人造迷宮章参照)、あれほどに弱り切っていた理由がようやくわかった」
精霊王「効果が目に見えて現れるまで時間がかかったがの。
精霊王の森で療養してようやくマシになったのは…
邪気から離れ、隔離したからという理由もある」
ガレス「つまり成長速度が上がったのは…それも込みということになるの。
そもそも胎児は魔力をたくさん必要としていた。←1193ページ参照
魔力が高くなればなるほど、胎児は成長が滞りなく進んでいく。
そして母体の機能が高ければ高いほど、完了するまでが早まるというわけか」
ケイト「うん。
話を纏めると、そういうことになる」
リヴェリア「双子に伴い精霊寵愛も自分も吸い取られるあまり弱ると、後で言っていた理由はそれか。←1191ページ参照
となると、益々魔法を使わせるわけにはいかないな」
ケイト「もう随分と慣れたから大丈夫。魔力は既に無尽蔵だし。
それよりも…あと半月…
残り少ない二人っきりの時間を楽しみたい//」ぴとっ←フィンへ寄り添う
フィン「!//
…僕も同じ気持ちだよ//」すっ←ケイトへ寄り添い、頬を摺り寄せる
遠征についてきた理由の一つ、それも主なものがそれだと理解するまで時間はそうかからなかった。
結局…モンスターが入ってこれない結界を張った後。
僕とケイトはいつも通り、二人きりで、抱き締め合ったまま眠りについた。
互いの温もりに心底安堵し、その心地よさに心から気持ちいいと感じていたのは…最早、言うまでもない。