第1章 出会い
私を見つめながら、剣を握り締める姿を見た。
私も…負けたくない。
共通の想いを、改めて認識した。
それを見守っている人達も何故か疼いているみたいで…
とても興味深そうな眼と、見ていて疼いて仕方ない眼と、楽しそうに見守る眼があった。
ティオナ「次予約入れていい!?」挙手!
ティオネ「私が先よ!!」ぎんっ!
ギャーギャー!!
その声が上がった直後、喧嘩が起こった。
ベートは最初こそ気に食わなそうに見ていたけれど、今では真剣に見入っている。
目が離せない戦いになっていることは、戦っている私が一番解っていた。
とても楽しい。終わって欲しくない。でも勝ちたい。
感情のせめぎ合いが止まらない。想いが止められない。
数分経っただろうか…
まだ、戦いは終わっていない。
そう伝えたくて、真っ直ぐに見つめながら剣を構えた。
ケイト「!」すっ
それを見てすぐ、彼女は腰を落として左手を前に、右手を後ろにして構えた。
隙の無い、よどみない動き。
その一瞬、即座に前にある左手に持った短剣を弾き飛ばした。
初めて見せる動きだから、反応も遅れている。
その僅かな一瞬に攻撃を繰り出した。
でも当たる直前で、また私に意識が向けられた。
一瞬で左半身を後ろへと引き戻しながら、右手を前にして手首でスナップを利かせながら全部受け切っていた。
フィン「!あれは…片腕のみの剣術?」
その構えもまた独特で、左腕を腰の後ろにして右手と右足だけを前に出していた。
それからも身体で私の連続攻撃を流しながら
左へ右へと流れるように受け流していって、咄嗟に加速して取らせまいとした。
でもケイトもまたそれに合わせて加速していて、後ろに刺さっていた短剣を抜きながら再び私の剣を受け止めた。
私の動き方、癖も学習しているのか、動きが読まれている。
状況の変化に対して柔軟にその状況に合った対処をする。
それが、彼女の生み出した剣術なのだと私はその時に知った。