第1章 出会い
驚いた。
まだ恩恵も受けていないのに…Lv.1になってさえもいないのに。
全身の動きの鋭さが…増していく。
一つになった動きを回転みたいに利用して、さらに勢いをつけ続けていく。
どこまでも純粋な白い炎…
やっぱり、私の目は狂ってなんかいなかった。
アイズ「いいよ…続けよう!全力で!!」ふっ
ケイト「はあっ!!」ふっ
魔法抜きの、純粋な剣技。
全身のよどみない動きが全て噛み合って、一塊の攻撃となって襲い掛かってきた。
蹴り、短剣による払い、斬り、柄での打ち上げ…
一瞬でこれほど自在に、瞬く間に繰り出し続けている。
きっとこれは…才能なんかじゃない。
それだけ乗り越えてきた死地が多かったということ。
手の甲の傷が、腕の切り傷が斬り結んでいる時に、鍔迫り合いの時に見えた。
たくさんの修羅場を…その身で越えてきたんだね。
でも私も、負けたくはない!
加速する私の動きに、なおも追撃してくる。
息が荒れる。呼吸が上がる。ケイトも上がっている。
呼吸を合わせている。私の動きを感じ取ることに集中し切っている。
そのことに、今になってようやく気付いた。
でも、そんなの関係ない。
昂ぶる想いが、止められない!
私は――この人に、勝ちたい!!
ロキ「はい!ストォップ!!」
『!!』ぴたっ!
そう剣を互いにぶつけ合おうとした瞬間、私達の間にロキが入ってきた。
『はあっはっはっはっはっ』
ロキ「そないに息荒れた状態で戦い続けたらぶっ倒れるで?
少しは休憩挟みや」
アイズ「邪魔…しないで」
せっかく…今、とてもいい感じなのに…
ケイト「あと…もう少し…もう少しで…決着、つけるから!」ぐっ!
ロキ「肩で息しながら言うても説得力ないで?;アイズもやけど」溜息&肩落
勝ちたい――
やっと見つけた、私の好敵手(ライバル)。
身体がまだ疼いている。この人には負けたくないと言っている(ぎゅっ!)
まだ、戦いは終わってない!!