第39章 闇を打ち払うもの
ケイトの闇はひどく深い。
それは…今までに得てきた理不尽な扱い、特に周囲の態度。
それに加え、前世や前々世で得た悪感情を抱かせるほどの「不快な何か」。
そして龍人化を境に得た、始祖神の抱く悪感情が故。
ケイトの闇の方が…それらの人生を総合して僅か百年ほどではあるが、深いことは深い。
その上で、その闇と寄り添い共に生きることを選んだ。
恐らく、出てくるなとばかりに押さえ込んでいたんだろう。
大切なものまで傷付けるのを恐れ、向き合えず、一方的に蓋をし続けた。
だからこそ人格の芽生えと共に世界を滅ぼそうとしたんだろう。
闇だからと排他しようとするそれに反発して。
だからこそ、この場に居る皆が思った。
他ならぬ僕自身も、そう思えてならなかった。
ケイトなら…きっと、大丈夫だと。
フィン「僅かだけれど、希望は見えてきた。何もないわけじゃない。
ケイト、君に託すよ」微笑
ケイト「はい!」ピシッ!←気を付け
手を組んで肘をついたまま、そう考えを纏めた僕はケイトへ向き直り
目を合わせた状態でそう言い、ケイトは真剣な表情をして気を付けをして答えた。
フィン「話の腰を折るようで悪いけれど遠征の話をしようか」
ケイト「うん!
あ、そうだ。いいの考えたんだ」
フィン「?何だい?」
ケイト「魔法円に似た効果を付与した方位磁針を作ったんだ!
つまみのてっぺんにあるスイッチで起動可能。常に周囲から魔力を吸う。
方位磁針の内に溜め込まれた魔力が満タンになった上で左回しにつまみを回すと、銃へ変形する。
口径は逆三角形の形をしてて、引き金を引くことで撃てる。着弾まで0.5秒、追尾可能。
当たったものの内に入り込み、そのものの持つ魔力を糧に内から大爆発を引き起こす。
全長高さ5m,横幅1m,縦80cm跡形も残さず消すが、近い人には臓物が飛んでくるのでそれのみ注意」
フィン「なんて兵器を作ってくれたんだっ!!!!」瞑目
だんっ!!
ロキ「ケイトやからな…」
精霊王「ケイトじゃからな…」
ケイトとフィン以外『ケイトだから…』遠い目
右拳で机を叩いた姿勢のまま、僕は震えを止めることが出来なかった。
フィン(どうしようかな…この爆発物)わなわな
ケイト(褒めて♪褒めて^^♪)にこにこ&そわそわ←フィンの周囲を行ったり来たり