第39章 闇を打ち払うもの
ケイト『それだ!
始祖神の力は理の創造、そして消滅。
ただの純粋な力として使用した時、それは光として創造及び浄化という性質を示してて…(ぶつぶつ)
待てよ。なら闇は?
不浄という性質でありながらも、空間ごと一切合切を消滅させようとしている…
なるほど…性質だけでなく力による影響も相反している。
よし、光を強めよう。プラマイゼロになれば元通りになるはず!』
フィン「伝え損ねていたが、闇は君の体に害を示すそうだ。
どうせ使うのなら…光だけにして欲しい。
いくら君の魔力が2分の∞だとして、無尽蔵というわけでもないんだろう?」
ケイト『うーん;
うん、そうみたい;』
フィン「なら激減させないように気を付けてくれ」
ケイト『わかった。
でも…今回のお陰で、私の心の中に…少なくとも、そう感じている部分もあるということを知れた。
いい機会を与えてくれてありがとう、闇。
憎いだろう…苦しいだろう…さぞかし、恨めしかっただろう……
だが…私の憎しみは、それ以上だ!』
『!!』
右手に凝縮されて今もなお展開されている『闇』を睨視しながら向き合う姿が、通信機を通じて伝わってきた。
ケイト『憎しみも、怨みも…数え切れないほどある。
それでも私は、進んでいくよ。皆という幸せを知れたから。
今も…皆は、自分の意志で隣に居てくれているから。
だから私は…皆と共に、前に進んでいくよ。
私自身…大事な皆と、これからも過ごしていたい。たとえ何があろうとも…
だから、もし…もし、お前が…それごと世界を壊そうという時が来れば…
その闇の力の元凶たる私ごとお前を壊す!
なに…取って食おうってわけじゃない。
……お前も…私から生み出されたのなら、源を同じとするのなら…この想いは、わかるだろう?』
闇が僅かに瞬き、頷くかのように動いた。
ケイト『なら…護るものと向き合おう。
向き合うべきものを見定めて、共に進むべき方向を決めよう。
護りたい気持ちは同じだ。失いたくない気持ちも同じだ。
なら…やるべきことは一つだろう。
暴走させて、失いたくないものまで消滅させるのは違う。はっきり言って御門違いだ。
その想いは…これまでの全ての証だ。
私という、それまでの人生の全てだ。私そのものでもある。
どれほどの怒りに飲まれようと、本懐だけは見失うな』