第39章 闇を打ち払うもの
ロキ「まずは!隠し事していたことについて叱ろうと思うわ!!」
リヴェリア「同感だ」
フィン「それはやめておいた方がいいと思うよ」
ガレス「それは何故じゃ?」
フィン「本人は知らないと、精霊王も言っていただろう?
伝承(1038ページ参照)も2800年も前のこともあって、伝えられる言葉も少なかったと聞く。
そもそもだ。具体的に話されなければわからない特性を持って生まれたのだから、そこの所を理解しないと…
本人は余計に辛い想いをするだろう?」
ガレス「なるほどのお。どう諭すか…
いや、闇を打ち払う何かを与えてやらんと直に潰れるじゃろうな」
フィン「ああ。そこが一番の問題だ。
ロキ、リヴェリア…怒る気持ちもわかるが、その点については目を瞑ってくれないかな?」
二人『…わかった』
リヴェリア「お前がそう言うのならば何も言うまい。
だが…肝心なことはきちんと話すよう躾けておいてくれ」
フィン「…ああ^^;
ケイトも馬鹿じゃない。
ちゃんと伝えるべき点は伝えてはくれてるさ。
精霊王の血が自らの身体に流れていることは、きちんと伝えてくれた。←1038ページ参照
さぞかし勇気も要っただろう。
問題は、それに弊害があったこと。
精霊王は精霊王の森でしか生きられず、穢れを一切受け付けないし寄せ付けない。
彼女が知らなかったのはそこなのだろうね」
リヴェリア「代々受け継がれし血脈…か。
その重責たるや想像に難くない。相当な重荷だっただろうに」
ロキ「その辛さを話さん所があいつらしいわ。
ちっとも感じさせへんかったしな」嘆息&肩すくめ
ガレス「まあ…それも高潔たるあやつの意思じゃ」
フィン「度が過ぎるとは思うけれどね…
それも最早体質のようなものかもしれない。
代々、誰も彼もが正義感も強いわけだし」
リヴェリア「光となる存在…それは闇とは正反対に当たる。
火と水…互いが打ち消し合うということなのだろうが……」
フィン「それについては他ならぬ本人がわかっていることだろう。
ケイトの意見を聞きたいな」
ピッ
プルルルル♪
そう言うが早いか、フィンは自らのベルトに固定していた通信機を手に取り、ケイトへと電話を掛けた。
ポーチ(空間収納庫)に直していないのは、着信が来た場合気付けないからだろう。