第39章 闇を打ち払うもの
リヴェリア「精霊王の謎…それがようやく解けたわけだが…」
フィン「ああ。まさか命に係わるものだとはね」
ロキ「それも妻に与えたんは老い先短い自分よりも子を優先してって…」
ガレス「その後でもちゃっかり生き永らえ、代を受け継ぐペースを20年にしとるわけじゃがのお」
フィン「ンー…次の代となる子を産まなければ、あるいは孕ませなければ元気で居られるというわけか。
それを逆手にとって遅らせているという可能性もあるね。
ケイトの代でそれは変わったわけだけれど」
ロキ「せやけど…アルかディのどちらかが後継者いうことか?」
フィン「いや、それはない。
霊感が強まってはいないと、はっきりと以前に言っていた。
精霊王の後継者である可能性は極めて低いだろう」
ロキ「あー。そう言えば言うてたな」←1061ページ参照
ガレス「なら…何故、あれほどに弱っておる?
無限に近い魔力でありながら、出せんほどに」
リヴェリア「恐らく…
これは予測に過ぎないのだが、闇の暴走を防ぐ為に無意識下で出ないよう動かしている可能性が高い」
フィン「同時に、お腹の子が魔力を食らっている可能性も否定できないね」
リヴェリア「ああ。
出産や妊娠というのは、女性という体に深刻なダメージ、変化を及ぼす。
急激なそれに身体が驚いている。
あるいは…妊娠鬱に至りかけている可能性もまたある。ホルモンバランスの乱れによるものかもしれんな」
フィン「…そうか。
だが、問題なのは…」
リヴェリア「ああ…」
ロキ「せやなあ…」
ガレス「あんまりにも…馬鹿っぽいからのお;」嘆息&腕組&瞑目
フィン「ああ;正直、ケイトの抱え込んでいる諸事情がこれほど重いとは…;」苦笑&腕組&瞑目
ロキ「ホンマそれやで;
能天気にも見えるからな;」うーん&腕組
うんうん←フィンとガレスが黙ったまま二度頷く
リヴェリア「もう少し大事な部分とやらの見極め方を叩き込むべきだったか?」
ロキ「それもそうやけど、今はケイトの命の一大事や。
本人は自覚ないけど、マジで…闇に取り込まれたらヤバイ。
力の暴走だけじゃなく、命まで危険に陥るんやからな」
フィン「そうだね…」
ガレス「至急対策を練っておきたい所じゃの」
未だ椅子に座ったままそう考えながら、ああでもないこうでもないと話し合うばかりだった。