第39章 闇を打ち払うもの
精霊王「どうあっても…妊娠して魔力さえも自ら出せなくなった今、十字架の持つ『浄化されている魔力を食らって蓄え、周囲を生きられるほど浄化された環境とする』効果も発揮できん。←1044ページ参照
外であってもなお生きられるよう今も魔力を送り続けてはおるが、それもいずれは無と帰す。
ここでは…生き永らえることなどできん」
フィン「…何か」
『?』
フィン「…何か…他に方法はないのかい?」
精霊王「あるのならとっくに言っておる。
ないから…今、ここで申し出とるんじゃ。
闇の気配が強まった今だからこそな。
選択肢は二つ。
精霊王の森に返すか、空中都市に正式に居を構えるか。二つに一つしかない。
でなければ…彼女の命は持たん」
フィン「…考えさせてくれ…
すぐには、出せそうもない」
そのフィンの言葉に我々もまた頷き、精霊王は静かに去っていった。
「また来る」と精霊王は言い放ち、フィンの部屋の奥、左側の壁に設置された空間(1194ページ参照)を通って、精霊王の森へ帰っていった。
残された四人で、私達はそれ以外誰も居なくなったフィンの部屋でようやく一息ついた。
ガレス「遠征も間近に迫った時というのに…まったく」嘆息
リヴェリア「だが、ケイトの言い出しそうなことはわかる。
『遠征にはついて行く』とな」
ロキ「目に見えとるから厄介なんや;
…まあ…精霊王が何度もしゃしゃり出てきてた時点で、なんとなくわかってはおったけどなあ;
まさかこないに早くに起こるとは思いもせんかったわ;」汗&嘆息
フィン「以前にケイトへ刻み込まれた《精霊王の祝福》…←1193ページ参照
そこへ精霊王から魔力が流し込まれていると、ケイトから聞いた。
だが…魔力は無限ではない。
その上、ブランシェが言うには…他のモンスターは全て喰らい尽くしたと聞く。
エミュオと呼ばれる穢れた精霊達も、レヴィス達怪人もまた…
宝玉についても、一度喰らったことからクリエイトで作った後でそれのみを集めてギルドへ届け出れた。
オラリオ転覆も無事妨げられた。
ラキアやアルテナとも争いはなくなり同盟が結ばれた。
ようやく一息ついていたというわけだが…
よりにもよって、それを成立させた最有力者のケイトが……;」
『頭が痛い;』嘆息
揃えて口をついて出たのはそれだった…