第39章 闇を打ち払うもの
精霊王「自然と共に生き、自然と共に死ぬ。
それが万物の生物に定められし森羅万象という真理よ。
じゃが…それを自分にとって都合のいいように捻じ曲げ、他を思うが儘に穢すのが『人類』じゃ。
自分にとって都合のいいものへと形を変えさせ、動物との共存もまた同じことが言えよう。
家畜やら何やらと…己の住んでいた地を追い出されてなおも戻ろうとする野良は駆逐される。
どれもこれも、己にとって都合のいいものだけ受け容れ、他は排他する主義じゃ。
やっておることはそれと同じ。いじめやら何やらと…いい扱いをするのは好みに当てはまるものだけ。
嫌い、理解できない=異分子…
そう捉えては吐いて捨てるほどに、自分にとっていいよう理屈をこねくり回し、正当化して他者を貶めては殺す。
そしてその者達に共通して言えることがある。
自分がしておるそれを、悪いこととは一切思うておらんことじゃ。
自分こそが正しいとさえ思うておる。
だからこそ、わしらは外界と隔たりを建てて干渉のないようにした。
都合のいいように利用されるのは目に見えておるからの」じろり
神ではなく人間、その者達に向けてか鋭い目を向けて睨視された。
ロキ「うちらはしてへんで?」
精霊王「それは知っておる。他の有象無象やらの話じゃ」
リヴェリア「即答か…」
フィン「それほどの信頼を得たことを素直に喜ぶべきか…
はたまた…ここが、彼女にとっていい場所とはなり得ているが、人がいるというだけで危ないということを危惧すべきか…
悩み所ではあるね」手を組む&嘆息
肩を落としつつ先を憂うかのような目をしながら呟くフィン、その言葉に私は頷いた。
ガレス「問題はこの先じゃろう。
どのようにして闇に打ち勝つか、そこが何よりの問題じゃ」
精霊王「自分という軸を抱いている。より強く実感もしている。
だが…どうあっても理解できない闇に、理解できんからこそどうすれば御せるかもわかっておらん。
御するまでに至る筋道でさえもな。
海水に生きるものが陸に生きることができんように、無理に人里で暮らしている分短命に終わるわけじゃが」
『………!!』
フィン「!!待て…
…今…何て言った?」
精霊王「言葉通りの意味じゃが?」
フィン「短命?」
リヴェリア「200年は生きられるのではないのか?!」←1252ページ参照