第39章 闇を打ち払うもの
ケイト「ひっく…?」
リヴェリア「今まで数多くの憂き目に遭い、その元凶がいなくなった。
その感情は、正常な反応だ。
間違いではない。おかしなものでもない。
誰しも…嫌なことをされれば、その者の不幸を望むものだ。
ただ、本人の気付かぬ内にしたことだってある。
お前のそれに合わないものが、理解できないからと自らを正当化して排除しようとした。
沢山の人を取り込み、お前という一人の個をひたすらに虐げ続けたのだ。
あの処刑にも、今なお地獄に落ちての処遇にも同情の余地など一切ない。
あの者達が人にそれまでした横暴を、地獄に落ちてされる側に回っただけだ。
そうすることがさも普通であるかのように、あれだけすれば…うむ、当然の報いでもあるな」
なでなで←頭を撫で
ぽんぽんっ←背を撫で
抱き締めたまま私は頭を撫で、背を撫でた後に少し離れて、ケイトと目を合わせながら言葉を続ける。
リヴェリア「今、お前は…心に訪れた『心境の変化』に戸惑っているだけだ。
したくないということは変わらないのだろう?」
こくこく!!
即座に激しく頷くケイトに、私は微笑みかけながら再び頭を撫でた。
リヴェリア「ならば、それが答えだ。
そしてそれが…お前がお前である為に、何よりも欠かせないものだろう。
自信を持て。
飲まれそうになったら、また相談すればいい。
それで拒絶するような浅はかな人間だと思うな。
私は…私達は、あのような人間とは違う。
お前が味わってきた処遇を与える側では決してない。
今まで気の休まらない日々を過ごしていたんだ…
今日は…身を任せるぐらい、してみたらどうだ?楽になるぞ?」
ケイト「うん…だらーりとする」微笑
リヴェリア「ふふっ^^」
ケイト「?」
リヴェリア「なに、今までのお前ならば体を引きずってでも「仕事の手伝いを」と言ってきただろうなと…ふと思ってな」くすくす
ケイト「無茶したら怒るじゃない」むすっ
リヴェリア「ああ、そうだな」微笑&そっ
ケイト「!」瞠目
なでなで←頭を撫でる
手を伸ばすと瞠目し、頭に触れて撫でると嬉しそうにその手にすり寄ってくる。
そんなケイトに微笑みかけながら、私は言葉を続けた。
リヴェリア「そう反応を返せるようになったのも、十分な進歩だ。
お前は…ちゃんと成長している。あとは前に進むだけだ」