第39章 闇を打ち払うもの
ケイト「私は…そんな自分に飲み込まれるのが怖いよっ
でもそれに飲み込まれなきゃ、闇なんて理解できるはずがないんだっ
その上で打ち勝てなきゃ、押さえ込めなきゃ、また何度でも闇は暴走するっ;
あの時も、そうだった…
始祖神だった時、それを放置して…
その結果、ああなってしまったんだからさ……
このままじゃ…また、何度でも繰り返されるっ
でも…私には、この感情が、理解できないよっっ」ぽろぽろ
ぽとっぽとととっ
止めどなく頬を、床を濡らしていく涙…
その感情は理解できても、笑う感情までは理解できない。
相容れない、度し難い、受け入れられない…
しゃっくりまであげながらもなお、闇と向き合おうとするケイトに…私は静かに寄り添った。
そしてなおも、言葉は続く…
ケイト「闇に飲み込まれたくなくて拒絶した。理解しようともしなかった。
相容れなくて、押さえ込んでないものとしていた。
それでも……それでも…最終的にはっ
また…繰り返したくなんかないのに、わかんないよ」
手探り状態でもなお、理解しようと足掻く。
それは、闇が暴走して世界ごと崩壊させようとするそれを危惧しているからに他ならない。
だが…そんなことは望んでなどはいない。
闇に打ち勝つには、それを理解して、その上で形を変えさせる他ない。
そのお陰で今の自分があると、ケイトが言っていたように…
だが、その方法ではダメだった。始祖神の時が、まさにその方法だった。
しかし闇のそれは強烈で、今もなお飲み込まれてしまいそうで…
飲み込まれたまま、誰かに当たってしまいそうで…
それが堪らなく怖いのだと…彼女は涙ながらに訴えかけた。
ケイト「私は…どうしたらいい?
どうしたら……この闇を…無かったことに、なんてできないのにっ」
肩を震わせ嗚咽し、しゃっくりまであげ、咽び泣くそれに
私は両腕の中に閉じ込めた。
リヴェリア「…」
ケイト「あの頃は、こんな心の余裕なんてなかったくせにさ…
何で…こんなこと、想ってるんだろうな……
もう…自分で自分がわかんないよっ;;」ひっく
笑みを浮かべたまま、嗚咽を上げながら泣くケイトを…私は抱き寄せ、頭を撫でた。
リヴェリア「…大丈夫だ」
そう、言い聞かせながら…