第39章 闇を打ち払うもの
降って湧いた自問自答…
それは、人と関わる上で成り立つ『一つの真理』だった。
これまでに築き上げてきた歴史の中で、どうあっても避けられぬもの…
それが『死』であり、同時に関わりを深く持つ者ほどに、深い哀しみと絶望へと愛は姿を変える。
他殺だった場合、それを憎しみや恨みへと裏返させる。
どうあっても…この想いは、感情だけは…反古には出来ない。
無かったものにもできないし、蘇りもしない…何故親しい人が!と怒りもする。
それでも…失うからこそ…大切にしようと想える。
もし神になれたとして、その概念を無くせばあれほど必死に護ろうとはしないし、頑張れない。
それこそ本末転倒だとも言えるだろう。
また、生きたいと思える日が来るなど…私は思いもしなかった。
でも…きっとまた、失う日は来るのだろう。
それでも…生きていかなくてはいけない。
この命がある限り、それは終わりを知らない。死という終わりを迎える日まで…
世界まで憎んでいた、どうせ助けてくれるわけなどないと絶望していた。
その人達が悪いことをしてきたわけじゃない。
それでも…胸の奥で燻ぶるこの想いは消えてなどはくれず、今もなお高らかに叫び声を上げ続けていた。
「大丈夫?」
隣から響く声に、私は力なく笑みを浮かべながら頷いた。
その声をかけてきたものは…伐採、もとい間伐と除伐のお礼についてきた精霊だ。
ナレ『ちなみに「間伐」とは森林の間隔を作り主伐する木の成長を促すために木を間引くことである。
「除伐」とは育たない幼木や成長見込みのない若木を伐り除ける作業。
伐採と言い表わした理由は「間伐」だけでなく「除伐」も込みだった為。
ただし、伐採という言葉の中には前述した二つの言葉の他に「主伐(木材とする為に成長した木を伐って収穫すること)」、「択伐(主伐期を迎えた木を選抜してから伐ること)」、「全伐(主伐期を迎えた木を全区画伐ること)」というものもまた含まれている為、補足することにしました』