第38章 お手伝い
結界はありとあらゆる魔法を反射し、邪なる存在の侵入を許さない。
その為、結界の近くでは原則魔法の使用を禁じる気でいるらしい。
なるほど、注意すべしと言ったのはそのことについてか。
てっきり敵の魔法の結界による流れ弾についてかと思っていた。
それをついでに指摘すると、それも注意してと言われた。
新婚旅行で清浄な地である精霊王の森に戻って観光していた際、伐採が必要な個所があった。
その為、その木を移し替える為に精霊王の森にある清浄な土を利用して『結界』の効果を強め、より強固にする気らしい。
実際に実験してみた所うまくいき、他の地を利用すると全く育たず逆に枯れ始めた為…
『精霊王の森には無理、場所がない。それならいっそ』と、空中都市計画を考えるに至ったとのことだ。
念の為に聞いてみた所、精霊王からも許可は貰ってある。
ということを口頭で説明されるも、それよりもある文面が気になっていた。
スカイボード教習場…これは一体?
アスフィ「スカイボードとは?」
ケイト「うん。
スカイボードとは、その名の通り魔力を媒体に空をイメージ通りに飛ばせるボード型の魔道具。
入国した者全てに1人1つずつ無料で配布させる」
『!!!』
ケイト「中央地にあるホテル屋上に教習場があって、そこで免許を貰えば晴れてどこででも使用可能となる。
再び再入国した場合は『元々貰ったものを使用すべし』という規則があるが、遠くから来た人達の為に『一時貸出』という規則もある。
一時貸出したボードは帰る目的で駅に入った瞬間、予め書かれた術式に従って自動的に瞬間移動で貸出場所へ戻ってくる仕組みとなっている。
試作品については既にできてある。
持ち主の魔力、無いとしても魂特有のそれに反応するよう術式を組んである。
一人一人専用のものとなるんだ。形に関しても本人の望むそれに呼応して変わる」
『おお!!』
揃って息を呑む中、我先にとそれを拝む為にケイトへ詰め寄っていた。
勿論、その中にはロキとアイズの姿もあった。
どんなものか興味津々で、かくいう僕も興奮を抑えきれないのだが…
ケイトの傍に居たからか、ぎゅうぎゅうに押されている;それも現在進行形で……;
テロップ『さながら大人数によるおしくらまんじゅう、もとい満員電車…
面白さという砂糖に群がるアリのようだ』