第38章 お手伝い
ちなみに【黙契伝心】にある『同ファミリア』とは『同恩恵を持つ者』という意味で、「同恩恵を持つ者達による連携時」ということでもある。
よって…相乗効果もあってか、連携時のそれのえげつなさは増していくばかりだったという。
けれど…皆は知らない。
それでもなお、あれには決して叶わないことを。
上体を起こしながらすかさず叫んでツッコんだ後…私は俯いた。
ラウル「クリエイト・全快。治ったっすよ、ベートさん」
ベート「…」すくっ
ラウル「え?」
すたすた←ケイトの下へと歩み寄る
ベート「やっと、貸し一つだな」
ケイト「へ?」顔を上げて見やる
ベート「てめえに借りを返してやったっつってんだよ。
変な気使ってんじゃねえ。
それと…何でも、一人で抱え込んでんじゃねえよ」
ケイト「!」瞠目&じわっ←心にぐっと来た(理解されてると感じたから)
ベート「全部…知った上で黙ってんだろ?」
ケイト「……」ふいっ←気まずそうに目を逸らす
ベート「ちっ…図星か。
それで、それは一人でどうこうできる問題なのか?ああ?」
ケイト「…」俯
ベート「力の展開さえ封じれば倒せるてめえが、神々の統率者だった始祖神でも倒せなかったもんを倒せるのかよ!」
ケイト「……」
ぎりっ!←ベートが歯噛みし
ぐいっ!!←胸ぐらを掴み無理やり視線を合わせさせる
ベート「一人で抱え込みゃどうにかできる問題か?
始祖神の力とやらが魔力を媒体に出せるからって倒せんのか?
んなわけねえよな?
倒せんなら、今既に!倒してるはずだ!!」
ケイト「……」
ベート「こっち向け!俺達を見ろ!!
勝手に一人で抱え込んで、何でもかんでも背負おうとしてんじゃねえ!」
ケイト「!」
ベート「散々人のこと助けやがったんだ。
いい加減、ぱっぱと話せ!俺達にも手伝わせろ!!
本当に大事に想ってんなら、心配かけてんじゃねえ!!!」
ケイト「…………わかった…話すよ」
『!!』
その言葉に…私は観念して、話し出すことにした。
自らの心に潜む闇が強大さを経るに従い意思を持ち
世界滅亡の為に力を振るい、それを押さえ込もうとして失敗し、結果として封印へ繋がったと。