第38章 お手伝い
ティオナ「えっと…つまり、ケイトは自然そのものの因子を受け継いでいるから、元から見えるものが違うってこと?」
リヴェリア「龍の中でもより神聖な力を得たもの…それこそが龍神だ。
ケイトが龍と化した時、彼女の色は何だった?アイズ」
アイズ「…白」
リヴェリア「それは龍の中でも『白龍(はくりゅう)』と呼ばれる存在だ。
白銀の体毛と鱗を持つ美しい龍であり、数多くある龍の中でも最上位にあたる。
それが神性を得る前、つまり生まれ落ちてからすぐに霊的なものまで感じるし見聞きもできる」
フィン「つまり霊感は精霊(王)のそれだけでなく龍の因子も込みでということかい?」
精霊王の血を受け継いでいる点に関しては他の団員もいるのでぼかしておいた。
知っている僕達は精霊王の血だとわかるが、他の者達は精霊寵愛だと思うだろう。
リヴェリア「頷)そうなる。
だからこそ邪気などのそれに鋭敏の上、嫌う傾向にある。
そして汚れがない場所…人の少ない場所、あるいは人の手の加わっていない場所を好むきらいがある。
精霊と同じようにな」
ガレス「要するに…目に見えるものしか見えとらんわしらとは根本から違うというわけか」
リヴェリア「ああ」
フィン「確かに…目に見えるもの、起こったものしか信じることが中々できないからね、人というものは」
リヴェリア「だからこそ彼女は異物と捉えられがちだ。
人は異物と感じるそれを未知のものと捉え、恐れ、嫌い、拒絶し、排除しようとする。
霊感を持たない者達からすれば、それそのものが理解できないものだからな」
ティオナ「自然そのものってことは…
え?
風とか何でもかんでも魔力を媒体に出せるのって」
フィン「クリエイトだけではなく、精霊、龍…
それらがあったからこそより強化されているというわけか」
ロキ「内面上のそれがよく見えるからな、霊感あると。
特にケイトはなまじ強過ぎる分、あの世のシステムまで全部見えとるし;
だからこそ…その負の念やらの穢れのそれも見えんよう頑張っても感じてまう。せやから影響も受けやすい。
難儀なもんやで;はあっ;」肩落とし&嘆息
フィン「…そうだね」
その時…ずっと俯いたままのティオネが、やっと言葉を発した。