第38章 お手伝い
時間帯はケイトが大食堂を去ってから数分後、食事を終えた僕達は会話をしていた。
例のスキルと、発現条件を挙げながら…
ラウル「と言うか…主護霊様って何すか?」
フィン「主護霊というのは転生した時についてきた霊、らしいよ。
前世や前々世などで関わりがある霊が付くことが多いそうだ。
常について護っていてくれてるそうだが…流石に実物からはね」
ロキ「でも知らんのをいいことにポッキーゲームされた時、吹っ飛ばされたらしいで?」
ガレス「眉唾物かと思えば…言い得て妙じゃのお」
リヴェリア「そもそも…彼女と我等では見えてるものが違うのかもな」
『?』
ティオナ「え?それってどういうこと?」
リヴェリア「ケイトは龍神の娘だ」
ティオネ「そう言えば…行為も無しで身ごもったって言ってたわね」
レフィーヤ「確か…した覚えもないのにって」
リヴェリア「ああ。
龍神が父の因子を受け継ぐのを見るのに耐えられずな」
アイズ「…行為って何?」首傾
『……』
フィン「大人になればわかる、とだけ言っておくよ^^;」
リヴェリア「まあともかく。
私が言いたいのは…ケイトは半神半人ではなく、半龍半人ということだ」
ロキ「そういや龍神は神の因子は抜いたけど龍の因子抜くの忘れてもうたって言ってたな」
ベート「とっくに知ってる。それがどうした?
モンスターと会話でもできんのか?」
リヴェリア「違う。そもそもの前提がな。
龍とは、神聖なものであると同時に、自然そのものでもある。
そしてベート、お前のいう竜とは漢字も見た目も違う。
龍はドラゴン…トカゲのようなものでもない。モンスターと呼ばれる竜とは違う」
フィン「つまりは別物、というわけかい?」
リヴェリア「ああ。
自然の中にあるエネルギー、天候、森、川、海などの人の手の入っていない自然豊かな場所にこそそれは多く集まり、何万年という時を経て次第に意思という個を持ち、自然と形を成して生み出された『純然たる自然の力』そのもの。
取り分け浄化されている場所に多くおり、普段は姿を見せないそうだ」
ガレス「その中で神に至ったものが龍神というわけか?」
リヴェリア「そうなる。
そして長い時を経て得た『魂』という名の意思、それに宿る力を使う。
付喪神のような、いや…比べるのもおこがましいほど荘厳な存在だ」