第37章 アイズの気持ち
~作り方~
ケイト「赤カレイの卵抱きの切り身程度の大きさになるよう切るんだよ?」
ティオネ「へえ。
で、味を浸透させつつちゃんと煮えてるかも確認するのね。染み込みやすくする為に小さく切ると」
ケイト「うん。熱も小さい方がより早く通りやすいからね。
生煮え厳禁。食中毒のもと」こくこく
アイズ「所で…ケイトは、どうしてそういう料理の仕方を知ってるの?」
ティオナ「あ、それ私も気になってた」
ケイト「!!(ぴたっ)←箸が止まる
………」俯
ティオナ「あ、言い辛いんならいいんだよ?言わなくっても」
フィン「精霊王の森の給仕をしていたんじゃなかったかい?」
ティオナ「あー!」
『なるほど!』納得
その頃には切り身一つでは物足りなかった人達には1つずつ取り、きちんと行き渡った。
そして十分も経たない内にさらにおかわりする人もおり、綺麗になくなった。
それも計算した上での数なのだと察した僕は感心するばかりだった。
ケイト「……」
アイズ「…ケイト?」
ケイト(何も知らないくせにっ…(ぎり!(歯ぎしり))
違う!だからこそ言葉にして伝えるんじゃないか!)ぶんぶん!!←箸を止めたまま頭を振る
『?』
ケイト「せっかく興味持ってくれたのに傷付けるようなこと言おうとすんな!!)(ぎゅっ)←箸を握り締める
教えてくれたのは…前世や前々世の知識、それと…
生みと育てのお母さんだよ」
『!!』
ケイト「どっちも…大切な、お母さんなんだけど……
どっちにも良さが、在って…どっちにも……
やっぱり…どっちも捨てられない、大切な人なんだ」俯
ティオナ「あちゃー!;)…ごめん;なんか、その;」
ケイト「大丈夫だよ^^;
心配してくれてありがとう。私は大丈夫だから(微笑)
(やっぱり…傷付けたくはない。でも…
『本当だったら最初からいない存在なのに』
『居なくなればいいのに…』
(ずきん)
強がりだってことは、バレバレなのかな;」苦笑&汗
過去の想い出が…傷が何度でも疼き、傷を強く刻み込んでいく。
かさぶたが剥がれ、膿を出し、再び血が溢れ出ていく。
ティオナ「……元気出しなよ?
元気出るまで今日はずっといるから」ぽんっ←肩に手を置く
ケイト「!!…
っ;
ん」こく
ぽとっ
頷いたケイトの双眸から涙が頬を伝い、落ちていった。