第36章 *帰還まで
ケイト「お母さんとお姉ちゃんと育ての家族の墓参りをしたんだけど…
母と姉と育ての家族の霊は出てこなかったんだ。フィンの時とは違って」←1274ページ参照
『へえ』
ケイト「今は会うべき時じゃないってことなのかもしれないね」
寂しそうに呟く彼女に、元気出しなよとティオナが彼女の右肩を叩き、「きっと…また、いつか会えるよ」とアイズが微笑みかけながら左肩に手を添えて励ましていた。
リヴェリア「ケイト、魔法大国の魔道具というのが気になるんだが…」
その言葉を発した次の瞬間、ケイトの顔が一瞬で曇り、信じられないものを見るかのような目になり、冷や汗がだらだらと流れていった。
リヴェリア「何だ、その顔は;」
ケイト「う…いや…うん……やめておいた方がいいよ?;」遠い目そっぽ向き←今にも消え入りそうな声
リヴェリア「いや、内容をそもそも知らないのだが…;」
フィン「あー、うん;
あれは…まあ…外さないでいた方が幸せだと思えるようなものだよ」遠い目&そっぽ向き
リヴェリア「?何故揃って顔を逸らす?」曇り顔
ケイト「うん…つけた当初はいいんだよ?
うおおおお!!って燃え上がって、気付いたら思いの丈を全部口に出して叫んでて…凄まじい威力の魔法が撃てて…
それだけだったらいいんだよ。
でもね…外れた瞬間に言ってた内容が、わかって…内容がっ;」ぷるぷる&わなわな
リヴェリア「?…済まないが…見せてもらわなければわからん;」汗&腕組&怪訝な目
ぽんっ←フィンがリヴェリアの肩に手を置く
フィン「勘弁してやってくれ;」瞑目&汗
ケイト「勘弁しておくんなせえ;」両手で顔押さえ&わなわな震
リヴェリア「…;」
『余計気になる!!』←総意の一致
ロキ「主神命令や!見せい!!」
ケイト「ロキの人でなし!!;」
ロキ「人やないからええんやあああ!!」
ギャーギャー!!
結果…ケイトが装着していた時の映像を見せることになった。
ティオネ「団長のは無いの!!?」
ケイト「ごめん。見せちゃダメって約束だから勘弁して;」ずううんっ
両膝を抱え込んですっかり沈み切ったケイトの頭を、僕は寄り添いながらひたすら撫でた。