第36章 *帰還まで
それでも…想った。
君を見るだけで、心が救われていると…
打算や画策、計略や目論見、様々なもので世の中は混沌と穢れ果てている。
知っている。彼女がどんな環境で育ったのかも…
どれほど周囲が身勝手で、それにどれほど苦しめられ続けてきたかも…何度奪われたきたかも……
だが、それさえも感じさせないほどに…
ケイトは汚れ(邪心)も一切抱かず、真っ直ぐで、純粋だった。
それに触れ合う度、言葉を交わす度…それに心から救われていた。
洗われているとさえ感じるほどに、いつしか諦めていた心が…浄化されていった。
彼女の前では…彼女の前でだけは、ありのままの自分で居られた。
距離がやたら近くて、とっても真面目で…からかうと目に見えて怒って…
ケイト『馬鹿!意地悪!!』ぷんぷん
フィン『ぷっ。ふふっ^^//』
ケイト『笑うな!こっちは真剣に怒って
フィン『はっはっはっはっはっ!^^//』
ケイト『だから
フィン『あっはっはっはっ!^^//』
ケイト『怒った!もう本気で怒った!!
わーらーうーなーっ!』ぺちぺち&ぐいぐいっ←軽く胸を叩き揺する
それが、ひどく心地よかった。
ただ楽しくて…小さい頃、そんな人が欲しかったのだと旅の道中に悟った。
両親の墓には誓ったあの日から一度も行かずにいた。
再び訪れた時にあのような体験ができたのも、彼女のお陰だろう。
君がいたから、君が絶えず隣にいてくれたから…幸せだと、心から思えた。
あの日からの全ても…あの日までの出来事も…
全てが報われたと、無駄ではなかったと、何度でも胸を焦がすんだ……
そして…掛け替えのない存在だと、何度も何度も心が訴えかけてくる――
フィン「無粋だったかな^^;」
ケイト「ううん。嬉しいからまた言って欲しい」きっぱり
フィン「はっはっはっ!^^//
(むくっ)←上体を起こす
包み隠さず地で行くそれは嫌いじゃないよ」くすくす
ケイト「それに惚れたのはどこのどなた?」にや←フィンの前に歩み寄り跪き目線を合わせる
フィン「ああ!僕だ!^^//」ぎゅっ←ケイトを両腕で抱き締める
そう再び抱き合う中…アイズが「ずるい//」と頬を膨らませながらケイトに背後から抱き付いた。
ただ…愛人も重婚も一切する気はないと明言した。
が、効果が今一つなのは最早言うまでもない。