第36章 *帰還まで
胸へ飛び付かれた勢いによって大食堂の中央まで長机ごと吹き飛ばされた。
ティオネ「何してんのよ!!!;」
ケイト「好き好き好き好き好き」すりすり
ティオネ「団長から降りなさい!!;」ぐいぐい
ケイト「好き好き好き好き好きいい><///」きゃー!!
フィン「…やれやれ^^//;」
仰向けになっていることから、窓から差し込む光が目に入った。
大きな月で、決して離れることはない……
未だ覆い被さっているケイトと重なったことから、余計に…月や太陽のように想えてならなかった。
それと同時に…僕は思う。
出会うべくして、出会ったのだろうと…ここまで生きてきて、よかったと…
あの日から『フィン』として生き、貫いてきたからこそ…出会えた。
出会い方も、ぶつかり合いも、これまでの全てが…『今』という形になり得たから。
その今が…とても――幸せで堪らないものだから。
ティオネ「大丈夫ですか!?団長!!;」
ケイト「フィンが好きなのおおおお!!;」じたばた
ティオナ「わかってるから一旦落ち着こう!!;落ち着いて!;」
フィン「ああ…大丈夫だ(微笑)
本当に…ケイト」
ケイト「?」
フィン「君は…さながら、僕の太陽であり月のような存在だね。
それも…失っては、生きてはいけないほどに…」微笑
未だ仰向けで大の字のまま僕は微笑みかけた。
窓に映る月に重なる、ケイトに…自分の心の内における圧倒的存在感と重要さを理解しながら。
すると、ケイトから思わぬ言葉が掛けられた。
ケイト「私も同じだよ。そうでなきゃ守るもんか!
今更何当たり前のこと言ってんの?」
憮然とした表情で語られ、眉を顰めながら尋ねられる中
僕は驚愕から開いた口が塞がらず…
数秒後に我に返って、再び満面の笑みを浮かべながら言った。