第36章 *帰還まで
フィン「…君の気持ちはわかった。
次からはちゃんと言ってくれ。急に襲われたこちらとしては判断に困る。
話してさえくれればちゃんと考えるというのに」嘆息
ケイト「うん…ごめん、なさい」
未だ息も絶え絶えのまま、横向きになりながら頭を下げられた。
フィン「…今回の件は不問にしよう。
代わりにお腹の子にも笑い話として話すつもりだ」なでなで
ケイト「うん…ありがとう。赦してくれて」
フィン「なに。君の気持ちも確かにあったんだろうけれど…君のことだ、僕のことも考えてなんだろう?
ランクアップすれば大抵の攻撃は効かなくなる。それを踏まえての考えだということくらい僕にだってわかるさ。
だからこそ不問にした。こういうことは今回限りにして欲しい」
ケイト「うん。ごmけひっこふっ」
フィン「!大丈夫かい?」そっ←背中に手を当てる
ケイト「ひゅーひゅー」
フィン「!…これは…」
ケイト「と…」
フィン「どうした!?」
ケイト「トイレ」
がくっ!!
フィン「ははっ^^;
君はこんな時でも変わらずマイペースだね」苦笑
ケイト「どこ…だっけ」ふらふら
フィン「!そこじゃない。こっちだ」
ぐいっ
そう言いながら、即座に抱き上げて走っていった。
起き上がってもなお辛そうで、見ていられなかった。
フィン「ここだよ」
ケイト「ん…ひゅー…あり、がと」ふらっ
何とかトイレのそれを近くで視界に入れないよう見守りながら、内心では冷や冷やしていた。
ケイト「ひゅーひゅーひゅーひゅー」
空気の漏れるような音が響く。苦しそうな喘鳴が、そこにはあった。
それから無事に行けたらしく、川で手を洗ってから再び草のベッドへと横になっていた。
と言っても、ふら付いていて覚束ない足取りだったから支えて誘導した。
フィン「あんな無茶な動きばかりするからだ。
寒くないかい?何か僕にできることは?」
ケイト「…」ぎゅっ←服の裾を握り締める
フィン「?」
ケイト「傍…に、いてっ
げほっごほっ」
喘鳴の最中、苦しそうに咳き込んだ。