第36章 *帰還まで
ケイト「今ここでLv.9になってくれ!!」
フィン「どうやら、お遊びではないようだね」
お腹は…大丈夫のようだ。念入りに結界を張っているのか、白く発光している。
「ライバルを探していたのか?」と問いかけると、「誇りだ」と即座に返された。
話が噛み合わない中、光速をも超えた動きによる怒涛の衝撃波も伴った激闘は十分も持たずに終息する。
ケイト「ぅっ;ぐぅああああああ;」頭を両手で押さえる
フィン「やっと止まったか…
(だが攻撃は当たっていなかったはず。だというのに何故?)
気が済んだかい?」
ケイト「ぅ…ぁ;」ずきずき
ふらっ←前に倒れ込む
どさっ←跪き地面に伏せる
フィン「!ケイト!」さっ!
ケイト「ぅっ;ぁぁっ;」
フィン「大丈夫かい?;
やれやれ。この様子では会話もできそうにないね」
額に手を触れると少し熱く、うつ伏せに倒れる彼女を抱き上げ
前夜でも世話になった大きな草のベッドへと横向きになるよう寝かせ、毛布を掛けた。
フィン「僕をランクアップさせたかったのかな?」
ケイト「…」こく
フィン「よくも私情で振り回してくれたね」嘆息&しかめっ面
ケイト「魔力…噛み合う、感触…できて…なかった。
掴、めた?」
フィン「ああ。よく掴めたよ。
それも動きと魔力がバッチシ完璧に。
君が新婚旅行でも急にし出す馬鹿だとはね」腕組&嘆息&目を瞑る
ケイト(あれ?なんか…青筋立ってる?;)汗
フィン「気持ちはわかる。僕としても嬉しい。
だが時と場合を見てくれ。君は妊婦だ。
オッタル自身もランクアップしたい。だが神フレイヤが止めているだろう。
もう自分一人の身体じゃない。お腹に子もいる状態ですべき動きじゃない。わかるね?」
ケイト「……ん…」こく
フィン「そして今は新婚旅行中だ。
まあ…前夜に散々奉仕させた僕が言えることではないけれど。
それでもやるべきことか考えてみてくれ」
ケイト「…………?」
依然、ぼーっとしたような目で見つめてくる彼女を見て…わかった。
ああ、駄目だ。
どうやら自力で考えられるだけの頭が働いていないようだ。