第36章 *帰還まで
フィン「一つ、聴きたいことがあるんだが…いいかな?」
精霊王「む?なんじゃ?」
フィン「…択ばれたものしか入れないということは…僕は同じ墓には入れないのだろうか?」
精霊王「う~む…お主は確かに生まれも育ちも違う。
が…それだけでハブるほど度量の狭い人間は、この墓の下にはおらん。
第一…ヘレイオスとその妻が共に眠っておるんじゃ。安心せい。
それでがなるものがおったら、わしが直接しめてやるわ!!^^」
フィン「そうか…
それを聞いて安心したよ。ありがとう、精霊王」微笑
精霊王「よいよい。
所で、今から里帰りをする気か?」
ケイト「うん…ヘレイオスの生まれ育った場所は既に行ってきた所だよ。
ただ、ヘレイオス街は…その……」
精霊王「行った所で今までの態度に掌返すだけじゃろうからな。あまりお勧めはせん。
オリハルコンの生産もうまくいったとかで浮足立っとるからの。
ちなみに言うとじゃが、違う場所での生活、転居届も出しといたわ。
ヘレイオス街からオラリオへの」
フィン「!そんな届け出がいるのかい?」
精霊王「うむ。誘拐犯と言っておったのはそれでじゃ」←590ページ参照
フィン「この街の法律については勉強した気でいたが…
本人の書いたものが必要だったのか。そこまで細かくは把握できてなかったな」曇り顔
精霊王「うむ。じゃが安心せい。
何も言ってこないようになったのはそれでじゃ。
その為に、本人が直々に転居届を書いたように見せかけて作って送り付けておいたからの。
じゃから使者を同盟書を持たせて送り返した時、その紙を混ぜた。本人の旨を載せての。
『街の管理は今後分家に任せる。街の管理者となる継承権は放棄する。
十字架は自分に与えられたものだから渡さない。効力は既に消失済み』とな」
そして墓参りをした。
が、母と姉と育ての家族の霊は出てこず
「今は会うべき時じゃないってことなのかもしれないね」と彼女は寂しそうに呟いた。
僕の両親の墓前で言ったように感謝と冥福を、そして…お腹に子がいること、これから父母になることを説明した。
その後、精霊王と話し合って精霊王の森で一泊することになった。
夕暮れまで川で釣りをして、水をかけ合ったり、共に笑って過ごしていた。
その日の晩…変化は起きた。
19時頃、食べ終わった時から突如暴れ出した。