第36章 *帰還まで
5月28日(冒険者65日目)
昼12時――
食事をする為に集まる場に、ようやく僕達は移動した。
ちょうど昨日に食事をした場所で、木の株を机に座って食べる形式だ。
精霊王「む?
その右頬はどうした?」
フィン「いや…何でも;」ちらっ
ケイト「ふんっ!//」ふいっ!
精霊王「まあ何じゃ…今日も泊っていくといい」
ケイト「じっちゃん、誕生日おめでとう!」
フィン「!おめでとう」
いけない…忘れかけていた。
ちょうど昨日が精霊王の誕生日前夜祭、つまり今日が誕生日だった。←1266ページ参照
それからケイトの一族の墓について、精霊王から説明を受けることになる。
ちなみに、頬に関しては治してもらった。
精霊王「精霊の森アルルェーチェの最奥、精霊王の森へ。
そこにヘレイオスの血を受け継いだ正統な後継者が眠る。
十字架が出産の時に光を示したもの。それこそが真の正統後継者の証じゃ。
長女が本家、長男が分家となっていったが…
分家の輩はどうにも威張りたいそうじゃ。あの革命は…分家が手引きしたものじゃしの。
どうにもあやつらは権力を欲しておったようじゃ。だから墓に入れん。
お主の父親はここにはおらんよ。母親は入ったわけじゃがの。姉もまた別の墓じゃっただろう?」
ケイト「…うん」
精霊王「安心せい。育ての家族の所に入れておるわ」
ケイト「え!?」
精霊王「葬式の後に一度骨を光を通してもらって保存しておっての。然るべき時に、然るべき場所にと思って取っておいたんじゃ。
お主の父親は違う。権力を求めた。分家だから威張れないという実状に腹を立てておった。
そこに優しさなどなく、長男にそっくりじゃったよ。
だからこそ択ばれないのだとわかろうともせんかった。
お主の言うように…人ひとりというのは、その時代、その環境においての唯一の個に他ならん。
じゃからこそ大切にし、尊重せねばならん。
しかし…分家の奴等ははき違えた。
本家が平等に接する最中で、分家がヒューマン故に威張れんそれを煽ったんじゃ。
一番罰を受けるべきは…あ奴等分家じゃというのにのお…ちゃっかり街長になっとる始末じゃ…」嘆息
ケイト「…また、今度は里帰りするよ」
精霊王「ああ。楽しみに待っとる^^」