第36章 *帰還まで
股間のものを触られる中…僕自身もまた耐え切れず、ケイトの股間のそれへ指を這わせるよう触った。
そっと丁寧に皮を剥き(何をかは言わない)、指でそっといじり…割れ物を扱うかのように、優しく撫でた。
ケイト「んっ//」びくっ
フィン「ケイト…//」
ケイト「…れろ」
じゅるっ
じゅっ
カリの裏側から亀頭にかけてそっと舌を這わされる中、身体は自然とぶるりと震えた。
そのまま亀頭を優しく舐められ続け、徐々に下に下にと快感は深まりを増していく。
まるで…底なしの泥沼に引きずり込まれていくかのように……
右手で優しく竿に触れながら指先で裏筋を撫でられ、左手で玉の部分を優しく揉まれ…
次第に深まりを増していくばかりの底なしの快感が今までにない初めてのもので、僕は何も出来ず身を委ねるばかりだった。
ケイト「…そう言えばフィンって、これまでに勃ったことが無かったの?」
フィン「……何のことだい?//」ふいっ
急な質問に目を逸らす中、彼女はそれを肯定と捉えたようで苦笑し深く尋ねてはこなかった。
事実、その通りであることに変わりはない。
娼館にも行ったこともない。経験もない。勃ったことや処理をすることなんて朝立ちぐらいだ。
43年近く童貞を貫いてきて、恋を知ってから発情というものの厄介さを身を持って知った。
初めての行為と2度目のそれで身ごもってくれてよかったとさえ思う。
そうでなければ今頃、彼女に欲情のままに襲い掛かり、思う存分拒絶しないのをいいことにたかっていた可能性が高い。
実際の所、嫁捜しというものは…一族の復興の後継者…つまりは世継ぎの為のものだった。
ケイトに出会うまでは、『性欲』なんていうものは邪魔でしかないと思っていたし、世継ぎを残す以外の目的で使う気も無かった。
その時にならなければ、恋を知っていなければ…こんな想いなど知る由も無かっただろう。
懸命に発情したそれを発散させようと奮闘する彼女に対して逆に欲情し、発情によるそれは増していくばかりだった。