第36章 *帰還まで
ディムナ「ぅっ…っ……
うあああああああああああああああ!!!
あああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
それからは…ただ一人、空に向かって泣き続けた。
しゃっくりが止まらぬ中、その慟哭は涸れるその時まで…終わることを知らなかった。
一夜が明け、雨も止み…涙が涸れた頃…山頂から光が差し、せせらぎが煌めき、一匹の鮭が飛び跳ねた。
その時に僕は誓った、一族の再興を…僕を生かした両親に報いる為に……
フィン「…僕は…ちゃんと、周りが見えていなかった。
たとえそれがわかったとして…それでもなお、一族の復興を選んだ。
それほどに…あなた方がいなければ、僕という存在はいなかった。
そして、彼女に出会うことさえも…きっと、無かったとも思う。
だから…見守っていて欲しい。
僕個人の在りたい形として、これからも貫いていくつもりだ。
勿論、ちゃんと感情や意見は出すよ。彼女からの数少ない望みだからね」
ケイト「!うん!言ったよ!」こくこく
フィン「…だから…安心して、見守っていて欲しい。
随分と無茶を重ねてきたわけだけれど、そのお陰で…ここまで辿り着けた。
何より、今隣にいる掛け替えのない彼女に会えた。
だから…あなた方には感謝しかない。
嫌って唾棄して同じだと見てしまったことへの申し訳なさや…最初から希望だと見出していれば変わっていただろうかという後悔もあるけれど…(天を仰ぐ)
だからこそ…かな?
彼女との毎日が、どうにも…あなた方との続き、日々に重ねてしまう。
反応を見て遊んでいたのは0じゃなかっただろう?
だからつい、ね?ケイトはあなた方と、とてもよく似ていたから。
いつも人を立てて、義理堅い割に人には求めないで…
知れば知るほど…怒る場所も、助けようとする所も…何もかもが…とてもよく、似ていた。
僕の思い描いていた…理想の人だった。
嫌われればと思うだけで血が引き、好きだと言われれば心が見るからに弾み…
ただ……傍にいるだけで…心地よくて、仕方が無かった。
そんな自慢の人なんだ。年甲斐もなくね^^」
ケイト「//」
それらの言葉に、もう勘弁してくれと言わんがばかりに僕の右腕にしがみ付いて顔を埋めてきた。
まるで、真っ赤な顔や耳を隠そうとするかのように…それに僕は笑って、言葉を続けた。