第36章 ＊帰還まで

僕は選んだ。

小人族の復興はやめない。僕が自分で選んだ道だ。
今更投げ出す気もないし、そのお陰で彼女と出会えたから…大切にしたいというのもある。


そして…彼女と人生を共にすること。

何をしてでも護りたいと心から想い、人生の中でも初めて願った、初めての最愛の人だから…

血の繋がりがない人の中では初めての『希望』で、護る為に必死に駆け付けて庇い、護ってくれた最初の人だから。



そうして今…僕は、在りたいように在らせてもらっている。

彼女の前でぐらいは、と…そう思ってしまっていた。


本当は…気付いていたのかもしれない。
両親が、自分の時間や感情を無下にしてでもそれを貫くことを由としないことに。

彼女へ言っていた言葉が、いつしかブーメランのように僕にも返ってきていた。
それを感じていながら、彼女からかけられる言葉を受けて…徐々に変わっていった。

以前より生き生きしている、変わった、丸くなった、等と言われるようにはなったが…今一実感はない。


でも…今までの中では、人生の中では…これ以上ない幸せを噛み締めている。

共に居るだけで得られる温もりもまた、共に――



フィン「ケイト…」

ケイト「フィン…？その//両親の墓の前でやるのはちょっと//」もぞっ←未だ抱き締められたまま
フィン「いや、キスだけだから！^^//；」

ケイト「え！？；ごめん、勘違いしてた！//；」
フィン「君の中の僕は一体何をやろうとしていたんだい？^^；はあっ」

ケイト「えっと…キスして押し倒してそのままGO」
フィン「しないからね！！？；」滝汗

ケイト「ごめんごめん//ちゃんと、わかってるよ//
精霊王の森に泊まる時にするんだよね//大丈夫、わかってるから//」真っ赤＆そっぽ向き

フィン「あ、ああ//

ごほんっ！
と、とりあえず…仕切り直しということで聞いてくれないかな？」

ケイト「聞きますとも！//」正座＆気を付け

そう言ったのを確認後、僕は頷いてから行動に移す。


跪いたままケイトを正面から抱き締めていた両腕を彼女から離して解放してから、両親の墓へと向き直ってあることを伝えた。