第36章 *帰還まで
ただ…名を呼ばれなければ自分のことだと気付かない部分もあるけれど、そこは僕達が気を付ければいいだけの話だ。
乗ってから5時間かけてようやく着いた。
時間がかかるからこそ一本釣りだけでなく、海鳥とのふれあいや餌やりという体験もさせてもらった。
その先は…ケイトが、前々世で過ごしていた島。
それも王を勤めていた場所だ。
僕とケイトの前々世の生まれ故郷の島でもある。
いや…正確に言うと、僕が結婚相手ということは小人族の王族であった女性、つまりはヘレイオス街が出身ということだろうか?
精霊王の森へは寄るつもりだが、街へ寄ることには流石に抵抗が…;
ケイトのトラウマやフラッシュバックも考えてやめるべきでは;(たらたら)←内心冷や汗全開
ケイト「フィンー!!
海透明!すっごく綺麗だよ!!来て来てー!!!//」
フィン「!ああ!」
興奮を隠せず必死に両手を振って、僕と目が合うや否や両手でそのまま手招きへと変える彼女を前に、僕は一度思考を放棄して駆け寄ろうと歩を進めた。
が…
ケイト「ほら早くぅー!//
フィンフィンフィーン!!><///」きゃーきゃー!
「お?」「なんだなんだ?」
フィン「…^^///;」汗&苦笑←嬉しさ半分気恥ずかしさ半分
共に居ることが嬉しくて仕方ない彼女とは裏腹に、周囲の目がとても痛く感じた……;
いや…まあ、嬉しいんだけどね?//
僕としてもこの上なく幸せなんだが…察して欲しい…;(肩落とし&瞑目&溜息)
しかし…次の日にあたる新婚旅行4日目の晩に僕がケイトへ発情して、そのまま行為に至るなど当時は知る由も無かった。