第35章 成長
フィン「負担をかけまいと遠慮するのは、君の悪い癖だ。
自分を殺して、精神的に死ぬまで思い詰める義務は誰にもない。
責任をもって頑張ったのなら、それでいいと僕は思うよ。
皆、自分の在りたいように在るんだ。
君だけが在ってはいけないなんていう理不尽を強いる気は毛頭ないよ」
ケイト「……ありがとう、フィン。お陰で…私の心は決まったよ。
どれだけ腹立たしくても、どれだけ憎くっても…
私はそれごと他という存在を知れた学びとして受け入れる。
ありがとう…本当にありがとう^^」涙
フィン「ああ…僕こそ、いつもありがとう」微笑
ケイト「感謝が堪えないよ…ここまでこれたのが、まるで夢のようだから」
フィン「…僕も…そう思うよ。僕としても、君と同じ気持ちだ。
『夢なら覚めないで欲しい――』
そう思うほどに、僕は君と深く繋がっている。
それほどに…君との日々は、君の存在は大きいんだ」
ケイト「……フィン…私、頑張るよ。過去には負けない。
ちゃんと前を向いて、皆と生きるよ!」微笑
フィン「まずは…泣きたいだけ泣く所からだね?」なでなで&微笑
ケイト「ん(頷&微笑)
大好きだよ…愛してる……」ぎゅうっ
フィン「僕もさ」ぎゅうっ!&なでなで
頭を撫でながら言うと、ケイトは嬉しそうに微笑みながら頷いて右側からしがみ付いてきた。
いつものように抱き締めてくるケイト…
それに僕は正面から彼女の双眸を見つめ、微笑みかけながら抱き返し、背を左手で強く抱き寄せながら右手で何度も後ろ頭を撫でた。
ケイト「いくら変わって欲しかろうが絶対に変わらない。
だから…」
フィン「うん、言いたいことはもうわかってる」
ケイト「…全部神様からの贈り物だなってさ。
この世界も…全部が、神の子だって思った。
自分の在りたい形を、皆貫いている。
なら私は…私の在りたい形になる。
神様に与えられたそれに感謝して、怒りに飲まれても憎しみに殺されかけても…その自分と向かい合って共に生きていくよ」
フィン「……随分と成長したね」
瞠目と共に呟くと、彼女は照れ臭そうに頬を赤らめながら苦笑した。