第35章 成長
精霊王『お前がどれほどケイトを愛し、想っておるかは知っておる。
死ぬかもしれんというのに、ブランシェに立ちはだかったではないか。
ミノタウロスの攻撃から身を挺して庇ったではないか。暴走を食い止めただろう?
だから…信じることに決めた。ロキ・ファミリアの皆もだ。
お前は信じるに値すると、他ならぬわしが判断し…森の皆もようやく、その考えを受け入れた所でのお?
こやつはどうにも…全部出るからのお、表に』
ケイト「ぐぬぬっ;」
フィン「ンー…確かに、それには弁護のしようがないね;」瞑目&腕組
ケイト「ひどい!!;」
憮然とした表情で叫ばれる最中、僕と精霊王は会話を続けた。
貯水湖での戦いで使用した短剣、それは全部回数を上限まで回復させるよう戻しているわけだが
一度僕の短剣にも付与されていることを隠蔽する為に借りた1本は、既に事が終わり次第返している(主犯をクリエイト・バインドで拘束終了後ラウルへ)。
新婚旅行前夜ではラウルが纏めて管理していること。
1度だけ新婚旅行計画の為に使用させてもらったこと(ケイトには聞こえないように話した)。
精霊王が探った所によると、現在は11本に分けられた上で1本につき10人前後で掴んだ状態でクリエイト・修業空間を使用し、Lv.8に至っている者が数多く増えていること。
仕事もまたそれを使用して効率よく終えている者が数多くいること。
短剣の存在を黙る代わりに、同盟相手にもあたるフレイヤ・ファミリアもまた同様に同レベルに至る者が数多く増えていること。
まあ…フレイヤ・ファミリアは、ケイトがこちら(ロキ・ファミリア)にいる限り決して裏切らないだろう。
問題は神ヘファイストスもまた、その短剣のことを知っているのだが…←1188ページ参照、完成後にケイトが約束通り見せに行った為(無論悪気はない)
知った後はただただ愕然として固まっていて、「絶対誰にも話さないわ」と自ら言い出すほどだ。
後に彼女が言うには、「厄介事が満面の笑みを浮かべて手を振りながらやってきた」というイメージが僅か一瞬でよぎったそうだ。
だが…問題事や厄介事は後になればなるほど増えていくものでもあると、口止めする為に向かったロキについていった僕は身を持って知ることになる。