第35章 成長
ケイト「ラウルが発案してくれた」
フィン「ん?」
ポツリと呟かれる声に目を向けると、彼女は真剣な表情で僕の両目を見据えていた。
ケイト「フィンがリヴェリアがガレスがティオネがティオナがラウルが、貯水湖の底を抜いてくれた。
クリエイトを宿した魔剣ならぬ不壊属性の神剣11本の内4本で、貯水湖2つをリーネやアキ達が【レア・ラーヴァテイン】でぶち抜いてくれた。
私がいた中央のは、水が無くなるまで必死に暴れて足掻き続けた。
アイズとベートが強力な2人を引き付けて倒して、攻撃を受ける可能性を減らしてくれた。
レフィーヤが貯水湖9つの底よりも遥か下に位置する広大な貯水湖、最奥の底まで【ディバインダー】を使用したまま突き進んで、待機している間に作戦通り【ディバインダー】で魔力と精神力を回復させながら《詠唱破棄》で詠唱文飛ばしながらバンバン【エルフ・リング】【ウィン・フィンブルヴェトル】で水全部を氷にしてくれた。
最後に上から9本分、下からレフィーヤが息を合わせて【レア・ラーヴァテイン】で氷を全部消し飛ばして蒸発させてくれた。←1203ページ参照
皆…1人1人が与えられた役割を果たしてくれたからだよ。
そりゃ確かに引き付ける人も必要だけどさ、私一人で倒せる輩じゃなかったのは確かだ。
現に、クリエイト・バインドで捕まえてくれたのはフィンだったでしょ?
私の呼吸を蘇生してくれたのもフィンだった。
ラウルも成長してる。皆もすっごく、目に見えて強くなってる。
だから…私一人の手柄みたいに言わないで欲しい。
皆がいなきゃ無理だった。だから…私『達』の勝利だと思う」
フィン「……そうだね。
君があまりにも、自分を過小評価するものだから…ついね?」
ケイト「んー。その言葉も添えてくれてたら意図を汲めてたのになあ;」
フィン「君は具体的に説明されないとわからない傾向にあるからね^^;」
ケイト「だっていくら想像しても限界があるし、実際に自分の想像する相手とは違う。
聞いてみないと、相手がどう考えているのか、どう反応するのかなんてのはわかんない」
フィン「…そうだね。だから不安にもなる」
僕自身…ケイトが僕を好きかどうか、不安だった。
告白する前…そんな不安に駆られながらも、あのフィアナに対する意見の言葉で益々惚れて…耐え切れず、衝動的に告白してしまった。