第35章 成長
~温泉卵~
ケイト「どっちも美味しいんだから、それでいいよね?」
フィン「そうだね。君はつゆ派、僕は塩派。それだけだ」
ケイト「どっちも美味しいね」
フィン「ああ、お互いならではだね」
ケイト「組み合わせだね、とろとろの黄身がよく合う//」
お互い、互いの味を絶賛し合って半分ずつ分けた。
5月26日(冒険者63日目)
新婚旅行、3日目の朝…
フィン「今日も快晴か…
それにしても…」
ケイト「すーすー」
フィン「…いつまで寝る気なのかな?;
もうかれこれ10時間は寝ているはずなんだが…;」
もう8時52分で、備え付けられた通信具で食事の時間もずらして持ってきてもらった所だ。
ベッド上で離されないまま机に置いていかれる時は心底申し訳なかった;
だが…そんな僕の心とは裏腹に、とても気持ちよさそうに寝ているものだから……
フィン「…邪魔するわけにもいかない、か;」
溜息を小さく零しながら、腕の中の温もりに身を埋める。
とても居心地がいい。幸せだと心底思う。本当はいつまでも堪能していたい。
だが…そういうわけにもいかない。
もっとこうしていたいと叫ぶ心に鞭を打ち、起こすことにした。
フィン「…ケイト、起きてくれ」ついついっ
頬をつつく中、ようやくケイトは身動ぎした。
ずっとピッタリと、離す気配も身動ぎも無かったから安心した。
ケイト「……む?」
フィン「…おはよう。お姫様」
ケイト「んにゅ…」ぼー&むくっ
ようやく体を起こし、目をごしごしと擦る。
そして出てきた言葉は、僕には理解できないものだった。
ケイト「違うんだよ」
フィン「ん?」
くしゃりと自身の前髪を右手で掴み上げながら突如として言葉は続く。
ケイト「返信したいんだよ!」
フィン「返信?;」眉顰&首傾
ケイト「マイページから各種設定、プロフィール編集からメッセージ受信のチェックボックスにチェック入れないと!」
フィン「あー、ケイト?;」
ケイト「チェック入れないと、こっち側からメッセージ送れないんだよ!何度送ろうとしても『相手がメッセージ拒否か退会しています。』って出てくるの!」
フィン「おーい、戻っておいでー;」
ケイト「何とか伝えないと!;
そうでないと…そうでないと!
…あれ?;夢?;」
フィン「おかえり^^;」