第35章 成長
もう一度言おう、無理だ。
きっぱりと、頭が何度でも告げていた。
正面から真っ直ぐに双眸を見つめられる中、僕は冷や汗交じりに固まっていた。
ケイト「間が長いよ!!;」
フィン「……あー…授乳はやめて哺乳瓶に」
ケイト「ダメに決まってるでしょ!!?;
母乳にはIgA!免疫物質が含まれてるの!!それ吸わせないと免疫付かないし病弱になっちゃう!!;
離乳食を始めるまで、母乳以外のものを与えちゃダメ!栄養価だって出始めが一番高いし、母乳と哺乳瓶のじゃ全然違う!!」
ああ、知っている…知って、いるんだが……;
フィン「………その時に…なってからでも、いいかい?;」
ケイト「…大丈夫?;声震えてるよ?」不安気
フィン「あ……ああ…何とか…頑張る、よ」そっぽ向き
ケイト「…不安だなあ;」ポツリ
ケイトが言うには、向こうの僕は下敷きになっていた時にケイトの胸に触れていた事で理性と本能の狭間で揺れに揺れていたそうだ。
うん、よく耐えたと諸手を上げて称賛したい。
勿論…正直に言うと、荒れ狂うことは確定事項だろうと…その時、既に感じていた。
ケイト「そうそう。
あっちの自分ね、ああいう精神的ストレスによる生活(1227ページ参照、8日連続の悪夢による『睡眠1時間』『1日1食』)のせいで、たった8日で一気に5kg痩せたんだって」
フィン「……大丈夫なのかい?;
想像を絶する辛さだったんだろうね…;」
ケイト「うん。常にふらふらだったらしいし。
って…らしいじゃなくてそうなんだよね。実話!」
フィン「…反応に困る;」
ケイト「でも離れたお陰で食欲は出てきたから、前よりは…睡眠も大分と取れるようになってきたし。
フィンの愛情のお陰だよ^^//平和が一番!^^//」
フィン「力になれたのなら何よりだ、君の心の平安の為にもね」微笑
ケイト「でも…体が急激な変化についていけてるか不安だなあ;」汗
フィン「くれぐれも無理はしないように頼むよ?」
ケイト「うん」頷
フィン「…そろそろ時間だ。もう着くから、移動するよ」すくっ
ケイト「ほーい」すくっ
フィン「ほら、足元に気を付けて」
真っ直ぐに向かい合ったまま会話をし終えた後
僕は立ち上がり、ケイトの手を取って船からの出口に近い位置へ移動し始めた。
妊婦だからゆっくり、走らせないように…