第35章 成長
ケイト「フィン…」
フィン「起きたかい?快晴で海も綺麗だけれど、見るかい?」
僕達は船首のデッキに座っている。
ちょうど道半ばに差し掛かった時、彼女は目を開けた。
快晴の晴れ渡る空、澄み切った海…
キラキラと水面を反射し、そこを魚を食べる為に鳥が翼を広げて飛ぶ光景は幻想的だった。
だからそれを見せようとしたんだが…待ったをかけられた。
ケイト「私…夢を見てた」
フィン「へえ。どんなだい?」
未だ膝の上で横になったまま虚ろな目をする彼女に、僕は上から覗き込みながら尋ねた。
するとケイトは、横になったままポツリポツリと零すように話し出してくれた。
ケイト「あのね…異世界の自分が、今までとは別の所で小説を書いてたんだ(作者マイページ参照)。
○○○○○って所でね?ここ(ドリームノベル)とは丸っきり違ってた。
そこでは書き方も内容もつまらないって、そういう感想ばかりが書き込まれた。
いいねって思って感想くれた人にまでBadつける人がいたりでね?」
フィン「随分とマナーが悪いね」
眉を顰めながら顔を顰めると、横になって膝に顔を埋めたままケイトは頭を振った。
ケイト「でも…人の在り方も感じ方も、人それぞれだから。
それでも…申し訳なかった。
苦しくって、自分という在り方を受け入れてもらえないんだなって…
でも、楽しいって言ってくれる人もいた。
けれどその人は少なくって…極僅かしかいなくって……悪夢ばかり見てた。
感想来たら返信しなきゃ、メッセージ来たら返信しなきゃって…
気付いたら毎日毎日嫌な言葉ばかり感想で吐き掛けられる悪夢ばかり見て…
そんな時…6月18日に地震が起こって、倒壊こそしなかったけど結構怖かった。
でも書き続けて頑張っていく内…気に入ってくれた人もいたんだよ?
15日から8日間毎日毎日悪夢ばかりで、22時に寝ても1時間も持たずすぐ悪夢で飛び起きるばかりで…食欲も睡眠欲も湧かなくなって…1食しか喉を通らなくなった。
21日の頃にはもう限界で、書き終えた22日には倒れて、23日にやっと11時まで寝れた。
地元の地震につきって理由でやめたけど。
本当は、復興は復興でも精神的な意味での復興…それも災害は災害でも人災なんだよ…
23日の11:30に訂正の為に一度だけログインして、11:45にログアウトして引退した」