第35章 成長
ちなみに、晩御飯は外で星空を眺めながら…二人っきりでキャンプをした。
ケイト「私も手伝うよ!
懐かしいスープ、作ってくれたから^^//」
テントの中から外へ出た彼女が言うには、おふくろの味だったという。
フィン「…ああ…じゃあ、もう一品は一緒に作ろうか//」くす
ケイト「大好きなんだ…
たった、2か月しか経ってない。
それでも…好きで、仕方がないんだ。
私さ…フィンの一番になれて嬉しい。最初の一番がフィンで、とっても嬉しいよ^^//」
フィン「僕も…同じ気持ちだ//」
そう微笑みかけながら、向かい合ったまま頷いた。
フィン「今まで…出会いに恵まれなかった。
両親以外に『光』となる小人族はいなかった。だから…君に会えたことこそが、僥倖のように想う」
ケイト「私の方がそれ以上だ!」
フィン「そうだね。僕もそれ以上だよ」くすり
そう言い合いながら…
共に御飯を作って、食べて、共に同じテントの中で寝る前…
父親の悪夢によるフラッシュバックから、先述したやり取りをしていた。
5月25日(冒険者62日目)
その晩を超えた後…僕等は船に乗った。
ケイト「くーくー」
抱き締め合って温かくてよく眠れたのだが、何度も死ぬ悪夢を見た件もあってか…安心したように眠り出していた。
僕の腕の中に潜り込んで…
フィン(うん…いいんだけどね…いいんだが……この人混みの中で堂々と寝るのはちょっと…;)
船の中にいる人達が僕達の方をちらちらと何度も見やってくる中
僕は苦笑を浮かべた後、クリエイト・空間収納魔法で槍を取り出す。
僕の短剣にクリエイトを付与してもらっていたからこそできることだ。
ぐっ!←槍を握る
「え?」
「なに?」
ざわっ
フィン「僕の女(ケイト)に手を出すな!」
別の意味で威嚇行為をとってしまったわけだが、「ああ、安眠を守る為か」とすぐ受け入れられた。
理解が早くて助かる。
フィン「予定では海の光景を楽しむつもりだったんだが…
僕の腕の中の方がいいということかな?(くす))←どこか満足げ
船と海に勝った、ふふっ//」にやにや
そう呟きながら彼女へ愛しげな眼を向けてそっと頭や頬を撫でる彼。
『(恋する男は、皆こうなのだろうか?)』
その光景を見ていた周囲は一瞬、そんな考えがよぎったという。