第35章 成長
ケイト「…うん」
フィン「君には生きて欲しい。これから先、どんなことになるとしても」
ケイト「…わかった」
フィン「…済まない。何の救いにもならない言葉ばかり
ケイト「ううん」首を横に振る
フィン「?何故」
ケイト「私はね…
私にとってはね…フィンに会えたこと自体が、救いなんだよ^^
街の人達から助けてくれた人なんて、私という人生の中で初めてだったからっ」くす
フィン「なるほど…そう言えば前にも言っていたね」ふふっ
ケイト「うん…だからね、ありがとう」微笑
フィン「…ああ。あいつらに関しては不倶戴天としか思っていない。
忘れよう」
ケイト「甘ったれるな!って言ってたのはさ…」
フィン「あれは
ケイト「忘れないよ。
私の大好きって想いは、その程度じゃない。
負けず嫌いなこと、知ってるでしょ?
だから、ああいう言い方で怒って、奮い起たせてくれた。
フィンの思いが、わからないわけでもない。
経験したことがあるんだ。シルキーに、泣かれた。
お姉ちゃんは化け物じゃないって…泣かされた時、言い表しようがないほど腹が立った。
それと同時に、小さい頃からだったからさ…
絶対に変わらないって身を持って知ってたから、申し訳なさが勝っちゃった。
でも…違うんだ。
罵倒された時、一緒に殺そうぜって言われた時…(ぎりっ!!)
本気の本気でぶちギレた。死んでも赦せないって人生で最大の怒りに飲まれた!
それと…同じような思いを、抱いたんだよね?フィンも…皆も……あの街の人達に」
フィン「ああ…」こく
ケイト「あのさ…私は、絶対に…赦さないよ。
あの街の人達も、いいようにやられてた自分も!
でも…私は単純だから、不器用だから…真っ直ぐにしか、受け取れないんだ。
受け流すのに少しずつ慣れてきてる。昔からじゃ考えられないくらいに。
それでも、駄目なんだよ。どうしても飲み込まれちゃうんだ、幼い頃の自分に…あの狂ったような激情に……
それまでは、特になんとも思ってなかった。そのまま狂って死んでしまえばとも思えてた。
だって…これ以上、自分のことで苦しませたくないもん^^;」涙目震
そう涙目で震えながらも満面の笑みを向けるケイトに、僕は再び抱き締める。