第35章 成長
ケイト「フィン…」
フィン「ん?」
ケイト「ありがとう…ごめんね…
私にとっては…あの15年が全てだったんだっ……
だから…どうしてもっ…消えて、くれなくって!」ぼろっ←涙が溢れ出る
フィン「わかってる…
僕の取った行動が酷なやり方だということも(なで)←頬に手を添えて撫でる
それでも……僕は、翼を奪われた君を…放ってはおけない。
いつものように笑って欲しい。
笑って、また…一緒に、他愛のない時間を楽しみたい。また、笑って過ごしたい。
……君との時間が短かろうと…僕にとっては、この42年以上に匹敵するほどに…幸せを掴んでいる。
それも、現在進行形でね」にやり
ケイト「!」
フィン「だから…迷惑や狂わされたなど思いもしない。
それに既に狂っている。小人族の為に尽くすとね。
それに苛烈さが増しただけだ。
君の為なら、進んで地獄に落ちようともと、そう思えてしまうほどにね…」
目を伏せながら彼は力無く笑った。
フィン「君は…僕にとって、既に切っても切り離せない存在だ。
僕の全てだと、断言してもいい(きっぱり)
君にとっての全てがそれで、それが君を狂わせているのなら…
僕がそれ以上になればいい」
ケイト「え!?」
フィン「不思議と、そう考えてしまったんだ(微笑)
何故だかわからないけれど…僕は、君が苦しむのを見ていられないらしい。
君が痛み苦しみ足掻く様を見て、あの外道のようには笑えない。
少なくとも、ロキ・ファミリアの中には一人として居ない。
君の素性は知っている。家庭環境のことを知っていれば、君の本質を理解できていれば誰もしなかっただろう。
根っからの悪人でない限りは。
だから…知った後もなお自分は正しいと思い込んでいる街の人間に振り回されるのが我慢ならない」
ケイト「……………でも…私は…
そうされるだけのことはしていない」俯
フィン「そもそも…こんな人柄の君を、逆にどうして嫌えると言うのか知りたいぐらいだ」
ケイト「…え?」
まるで信じられないものを見るかのように目を向ける中、フィンは肩をすくめながら微笑みかけ、教えてくれた。