第35章 成長
その会話の最中、テントを立てながら僕は思いだしていた。
始祖神としての記憶が蘇り、人格と話し合った時から後のことを…
フィン「もう少し情報が欲しかったけれどね…」すたすた
リヴェリア「何にせよ、この先に修羅場が待ち受けていることに変わりはなさそうだ。
神の力を持ってしか倒せない強大な敵が…」
フィン「ああ。
『これ以上は言えん』と言っていた。
言えないということは、知っているが言わないということだ。
つまり…こうも取れる。
『たとえ知った所で、神の力も持たない僕らにはどうしようもないだろう』とね。
だから…無理に聞き出すことは止めた。というより諦めた。
いくら想像を巡らせたとしても限度があるし、見ると聞くとでは大違いという諺もあるからね。
実物は僕らの想像しているそれの何百倍…いや、何百乗だと考えた方が良さそうだ」
リヴェリア「なるほど…確かに一理あるな」
フィン「もう少し話し(情報を引き出し)たかったけれど、流石にあれ以上は無理のようだったからね。
事実、あれは…残留思念に近い。死した魂の意思がたまたま形をなしたのだとも思う」
リヴェリア「ああ…私もそう思う」
そう思い思いの事柄を伝え合う中、僕は今後に一体何が待つのか…言い知れようのない不安に押し潰されそうになっていた。
――――――――――――――
ケイト「フィン?どうしたの?」
フィン「!いや…何でもないよ^^」にこ
ケイト「?そう?なんか隠してる気が
フィン「気のせいじゃないかな?」
ケイト「…まあ、フィンが言うならそれでいっか^^」
そう笑い返される中、それに安堵しながらも…天を仰ぎながら空を睨みつけた。
いずれ降ってくるだろう災厄を睨み据えるかのように…