第35章 成長
しかし底を壊そうと貯水湖へ向けて走っている矢先、後ろから敵が来ているなど気付きもしなかった。
「うごおおっ!」
その時、さらに背後からティオネが敵へ攻撃し、助けてもらう。
無音爆弾を底へ投げ付け、5mもの水柱が上がると共に急速に落ちていった。
ラウル「風月流、柔槍術…砕牙一閃!!」
風と共に水を押し退け、神速の突きが底を文字通り打ち抜いた。
それと同時に落下していく最中、彼は呟く。
ラウル「クリエイト・浮遊!」ふわっ
貯水湖の底が潰れた今、その湖の水はなくなっていった。
ティオナ「ははっ。負けてらんないね!
おりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃああああああ!!!」
次の瞬間、武器を弾き飛ばすや否やウルガを回転するように振り回し、もう一人の敵へと当てまくった。
ティオナ「んー…また外れかあ~;
当たり(Lv.7)はどこにいるんだろう?」
既に倒されているなど思いもしなかった。
ラウル「って…最初っから浮遊で飛んで、その後でテレポートした方が早かったんじゃ!?;」
ティオネ「つべこべ言ってないで早く!」
そうして瞬間移動させた後、地下の空間へと再びテレポートした。
そしてそこは、主犯の言う最終兵器のある場所で。
貯水湖などとは飾りと言えるほどに大きく、広かった。
レフィーヤ「はあ…はあっ…
【エルフ・リング】、【ウィン・フィンブルヴェトル】!!」
例の修業空間を経て、Lv.5に上がった時に得た発展アビリティ《詠唱破棄》。
それは名を連ねるだけで魔法が発動し、使えば使うほど如何なく威力を増していくものだった。
Lv.6に得た発展アビリティは《精癒》。
猛牛事件の後、Lv.7に得た発展アビリティは《治療》。
それに加え、魔力と精神力に変換し続ける4つ目の魔法【ディバインダー】。
自らの体を害するもの全てを魔力と精神力に変換させる絶対防御魔法であり、発動させたまま他の魔法を使うことが可能。
しかし、本人が害だと思えば変換し続けることが可能だとラキアとの戦争の最中で知った。
危ないと思った矢先に発動し、精神力と魔力に変換したことだ。
それによって…人工の貯水湖のさらに地下に山ほど溜め込まれていた水は、レフィーヤの手で氷と化していっていた。