第35章 成長
アイズ「!水の分身?」
「かかったな!」
ケイト「魔法が…使えない?」
「水で囲む拘束魔法だ。その中じゃ魔法は使えねえ!
そのまま溺れて死ね!!」
アイズ「ケイト!」
「行かせん!」
アイズ「邪魔、しないで!!」
新手の刀使いを相手に、アイズは風と共に奮闘する。
ケイト「空間魔法、ダメだ…龍の力、無理だ。ならせめて!」
ぼぉっ!!!
ケイト「はーっはーっ!」
「衝撃波か!!(ぎり!)
なら隙間なく詰めて流してやるよ!!便器の便みたいにな!」にや
ケイト(よし、ここまでは手筈通り。
あとは、足掻け。足掻け。足掻き抜いて…何とか…時間をっ!
さっきの振り払いで龍の力を一時的に出せた。
でも…駄目だ…囲まれた瞬間、また解けた!)
「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!」
流されていく中、敵の笑い声が水の中でもなお耳を刺す。
ケイト(くっ…排水管に詰まった。今の、状況なら…水に囲まれてない部分だけドラゴン・ソウルを…
よし、喰った。酸素、を。
すぅー。よし、時間を稼ぎつつ吸い込まれた先のマップを…!)
ぼっ!!
「ちっ。また衝撃波か」じゃぼん!!
水に飛び込んでくるのを感じる中、再び衝撃波で水を蹴り上げる。
ケイト(よし…ちゃんと地図は辿り着いた)
ぐいっ!!←胸ぐらを掴まれる
ケイト「!」
「詰まったことで囲まれてない状況を作るだけじゃなく、またやりやがったな」
ケイト(足掻いてやる。足掻いて足掻いて、足掻き続けてやる)ごぽぽ
「簡単に死に様が見れると思うなよ?
おらどうした!?英雄ルーキー!!」
ケイト「私は囮だ。最後の最後に…勝てればいい)ごぼっ」
「はっはっはっ!いいサンドバックだな!!」
げしっ!
がっ!!←蹴り込まれた足を掴む
「なっ!!」
ケイト「おらああああああ!!!」
ぶん回して壁へ投げ付けた。
「そうこなくっちゃよおお!!
俺は水の中で活動できる!だがお前はどうだ!?
息ができないだろ!?苦しいよな!!?命乞いしてみろよ!!」
ケイト「…」きっ!!
「イラッ!!)その目が!気に食わねえんだよおおお!!」
どごばき
十数分後、水が干からび…
「はっ…はっはっはっはっ!
何が英雄だ。救世主だ!何が世界最速だ!?
俺の勝ちだ!!」
倒れ伏すケイトを前に、主犯の敵は叫んだ。