第34章 休日と仕事
捕虜になった兵士達のステイタス放棄と多大な賠償を条件に全員解放されて戦いは終結する。
その時…ケイトが今までにない発案をしてきた。
ケイト「軍事大国じゃなく、鉄道大国にしようよ」
『………え?』
思いもしない言葉に、僕等は唖然とした。
ケイト「その方が皆の助けにもなるし、より多くのお金を稼げるよ。
鉱山も結構あるみたいだし、それを利用すれば理論上は作れると思う。
賠償金の赤字もきっと、それほどの時間もかけずになくなると思う。
皆に迷惑をかけた償いについては、方針をそれとして生涯貫き続けること。
その方が互いにとっても有益だし、今後に多大の利益が生じると思う」
その発想はなかったとばかりに感嘆し、思わず溜息を零した。
風邪の熱がまだ引いていないというのに…
そのケイトの発言に、僕は笑いながら頭を撫でてベッドへ運んで寝かしつけた。
その鶴の一声は後に、鉄道革命と呼ばれたそうだ。
魔導列車なるものが、ケイトが考案した作り方によって生み出されたのはもう少し先の話だ。
ケイトの養生の意も込めて、もう少し自然の空気を吸わせるつもりだと説明した時…
付いてくるものが非常に多く、ギルドからもまた報酬ということで見逃してくれたようだ。
事実、魔導列車というものが完成した場合…
オラリオへ何日もかけないといけない所を、僅か1日以内で行けることになる。
見逃す程度、大した痛手にもならないと判断してのことだろう。
黙認してくれているギルドに、そう考えを馳せた。
5月19日(冒険者56日目)
ケイトが再び昼に起き、ドンに水をあげていると「もっと!」と欲しがり、さらに動物が群がってきていた。
それを見たケイトは…その水が湧く泉を作った。
ラウル「ぷはぁー!!うまいっす!^^//」
ティオネ「…それ、動物が群がってた水よ?;」←若干引いてる
ラウル「でも美味しいっすよ!//」キラキラ
アイズ「魔力が…宿ってる…」
『え!?;』
アイズ「多分…精霊の強める力が旨味を強化してるんだと思う!」
フィン「なるほど…だからか」納得
何故それほどに群がるかという理由がはっきりとした後、ケイトは再び眠りにつく。
しかし…精霊寵愛IIに全快とあったはずだが…それ以上の過労だったのだろうか?
寝息を立てるケイトに、僕は疑問を感じた。