第34章 休日と仕事
「魔法の使用は控えるように」
そう言い聞かせていたはずだが、常に敵が入ってこれないよう警戒してくれていた。
周囲の魔力を使ってのものだから大丈夫だと言って聞かなかった。
魔力の薄い膜としてではなく、全体の全ての機微でさえも把握し、書類として起こし続けていることをその時になって知った。
敵の何を話していたか、会話内容、位置、数、小水のことからなにに至るまで、実に多岐にわたる。
この個人情報は秘匿するとして、優先すべきものだけ起こしている。
アミッドが言うには風邪を引いただけのようだ。
と言っても…常に意識を張り巡らせ続け、一から100まで全て把握仕切っていたせいだという。
能力が凄いからと言って、それに頼り過ぎていたのかもしれない…そう思い、起きたばかりのケイトにあることを伝えようと決めた。
5月17日(冒険者54日目)
結局、ケイトは12時まで眠ってた。熱は37.9度。
起きるや否や…
ケイト「ううううう;もっと…もっと、精度を」う~んう~ん
フィン「禁止だ。今後は休むことに専念してくれ。
お腹の赤ん坊の為にもだ」きっぱり
ケイト「ならば私の代わりに敵の動きや味方の動きを把握する機械を!」
フィン「戦術を考える頭の機能が鈍るだろう?」
ケイト「書類として思ったことがそのまま紙へ書かれる道具を!」
フィン「そうしたら、より伝えやすく工夫する時間が減るだろう?」
ケイト「ならば…一体なに作ればいいのさ!?;」半泣き&ぐすん
フィン「ンー…そうだなあ…君と常に居たい、かな^^」
ケイト「!!//
………馬鹿っ////」真っ赤っ赤&ふいっ
フィン「はああああ…好き//」ぼそ←内心悶え中
起きるや否や必死に力を使おうとしたケイトだったが、僕は是が非でも使わないよう言い聞かせた。
その後、ひたすらに病床のケイトへ頭を撫でて早く元気になるよう言葉をかけた後、敵に動きがあると報告を受けて指示を飛ばす為に天幕へと戻っていった。