第34章 休日と仕事
5月16日(冒険者53日目)
次の日の朝…
「殲滅の馬車が来たぞおおおおおおお!!;」「ナインヘル!?;」
「馬車の上から…だと!!?」
「忍者魔導士が来たぞおおおおお!!;ピンク色のエルフだああ!;」
音も無く忍び寄る様はまさに忍者。おまけにLv.7の足によって高速移動砲台。
その上ケイトから直伝で教わったそれは草藪の中でも一切音が出ず、詠唱の声を聞いてようやくその存在に気付くというもの。
そして極めつけに…
ケイト「サイレントランサー!!」
「うぎゃああああ!!;」
馬鹿でかい魔力の塊を天に向けて用意した後、兵だけに綺麗に命中するそれは狙撃手。
「龍騎士だあああ!!!;龍神様がやってきたぞおおお!;」
ケイト「小人族の目は万里を見通す」キラン&にや
フィン「そんな仰々しいものではなかったはずなんだが…^^;」
ケイト「お前ら一人残らず撃ち抜いてくれるわああああ!!」にやにや
「撤退!!;撤退いいいいい!!!;」
ケイト「待ちやがれゴラああああ。
逃がすとでも思ったか!?お前らが待つのは絶望のみよぉ!!
あーっはっはっはっはっはっ!!あぁーっはっはっはっはっはっ!!!^^」
一人残らず天へ向けて吹き飛ぶように撃ち抜き、崖の上で高笑いするそれはまさに…
「魔王だああああああ;」「魔神が現れたぞおおおおお!!;」
と、畏怖されることになったのは言うまでもない。
その様子を見た人達の感想は人それぞれ…
アキ「調子に乗ってる。思いっきりはっちゃけてる;」
ラウル「記憶取り戻したんじゃなかったんすか?;」
フィン「取り戻すことには成功はしたんだが…;
タカが外れてしまった、とだけ言っておこう」苦笑
戦場の悪魔と後に呼ばれたわけだが、逆に天使と呼ばれていたのは後述する。
一人残らず撃ち抜かれ、そして倒れ伏す兵の全てに『悪魔』という単語が目撃者の脳裏に占めた。
そして撃ち抜かれて気絶した者達は起きた後、身体のそれまでの持病や不調が全て全快状態となるだけでなく、ありとあらゆる幸運にも見舞われ、『天使』という単語がその者達の脳裏に占める。