第34章 休日と仕事
・ラウルの想い
例の酒を飲んでいた時のこと…決意に至るまでの想い。
ラウル「初めて、だったんす…」
ガレス「ん?何がじゃ?」
ラウル「俺は…ずっと…走り続けてた。
それをあっという間に抜かされてきた。
圧倒的な才能を目の当たりにしてきたっす。
でも…それでも…わざわざ振り返って、引き返してくれたのは…
一緒に強くなろうって、言ってくれたのはっ…ケイトさん、だけだったんすよっ;;」
ガレス「……そうじゃの」ぐびっ
ラウル「だから…俺は…護りたかったんす。
ベートさんがああ言った時、死ぬほど耐えられなかったっ。
でも…それでもっ…その時の俺は気付けなくてっ。もうとっくに…ケイトさんは団長に惚れ込んでてっ…」
ガレス「結婚しておったからのお、既に」
ラウル「だから…俺は……護る為に、強くなるっす。
強くなって、護れる可能性を是が非でも上げて、絶対に!守り抜いてみせるっす!!」
がたっ!!←椅子から立ち上がる
ガレス「…程々にせんと、酔いが回るぞ?」
ラウル「望む所っす!!」だっ!!
―前ページ、冒頭へと続く―
順序が逆ですみません…;
その日の晩、レフィーヤがあることを申告してきた。
新たな魔法が目覚めたそうだ。
レフィーヤ「あ…あの…ケイトさん?」
ケイト「ん?」
レフィーヤ「フールハーディって、新たな魔法を発現させますか?」
ケイト「そうだねえ、龍の力を魔法として発現させるぐらいだからあり得るかもね」
レフィーヤ「そ、それが…新たな魔法が、発現しました」がたがた
『えええええええええええ!?』
ケイト「四つ目!?おめでとう!!」
レフィーヤ「魔法円なしでも魔力酔いを起こすほどの回復なんですよ!?」
魔力酔い:体内の魔力が容量を超えて回復し過ぎた時に起こる
症状:吐き気に見舞われる
ベート「魔力の容量を増やせばいいだろ」
レフィーヤ「既に人外に片足突っ込んでるのにさらに突っ込めと言うんですか!!?;」
不可視の結界生成魔法。速攻魔法でもあり詠唱を必要としない。
自らの体を害するもの全てを魔力と精神力に変換させる絶対防御魔法。
発動させたまま他の魔法を使うことが可能。解呪式を唱えない限り解けることはない。
祝いに走り方を伝授し始めた。
直伝のそれは、草藪の中でさえも一切音が立たなかったという。