第34章 休日と仕事
自分もまた、護りたいと思った。余計なおせっかいなことはわかってるっす。
自分じゃ足元にも及ばない。足手纏いにしかならない!
でも…
それでもっ…!(ぎり)
今ここで動かないで、いつ強くなれるんっすか!!いつ護れるようになるつもりなんすか!!?
このままじゃ、いつまでも届かないままだ。金魚の糞のまま?
護られ続けられるまま?それで失いかけたのに?
俺にとって…俺にとっては!初めての…特別な存在なのにっ。
それを何も出来ずに、動けずに!失いかけてっ!!(ぎり)
こんなの、糞じゃなくって…ただの空気じゃないっすか!!!
ラウル「護り抜きたいなら今動け。是が非でも強くなれ。
迷うな。立ち止まるな。歩み続けろ。
今限界を超えてかないで、いつ追い付くつもりだ!!?
歯あ食い縛れ!根性見せろ!!
あの人には…ケイトさんには、全てを投げ打つぐらいじゃなきゃ!辿り着けるはずがないじゃないっすか!!!)
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」
涙ながらに走りつつ、鍛練場に辿り着くや否や懸命に剣を振るい、弓のそれの精度を高めだした。
それは夜中になっても続き、気付けば空は白み朝になっていたという。
その後の遠征での働きが変わった。成長した。
ラウル「ダメっす!モンスターパレードの時まで温存してて下さい!!
まだ対応できる範疇なので、俺達に任せて欲しいっす!!」
ベート「お…おう;」
ティオナ「う、うん;
何か…変わったね?」
アキ「うん。死ぬとか村の所に送らなくていいの?お金」
ラウル「それは死んだ後にお願いするっす。
今は…もう、迷ってる暇なんてないっすから」じっ←ケイトを見やる
ケイト「んう?」きょとん&首傾げ
ロキは既に見抜いており、ラウルへのランクアップ祝いに手の甲にケイトに口付けするよう促した後、にやにやと陰から見守っており
フィンが殺気を巻き散らかしながら今にもラウルに襲い掛からんとし、そのフィンをリヴェリアが押さえ込んでいた。
その後、修業に付き合って欲しいと懇願する機会が目に見えて増えた。
知識についてもリヴェリアやフィンに自分から頼み込むようになった。
こうして6年後…
団長の代わりを難無く務められるほどに成長したラウルに、初恋の人の娘(ディ)が惚れるなど、誰が思ったことだろうか…?
