第33章 ケイト調査票
ロキ「うちも…あん時は馬鹿ばっかやらかしとったのに…
全っ然!見捨てようともせんかった。
それ所か…真っ直ぐに何でも受け入れて…それがうち(ロキ)なんやって、寄り添ってくれたわ。
それが…あんまりにも眩しゅうてなあ…ホンマに…あの頃から、変わってへんわ。
さぞかし…人に苦しめられてきたやろうに…散々痛めつけられとったのに…何で変わらんねん。
自分のペースや気持ちは一切顧みられん。
せやけど周りは自分のペースや気持ちを押し付ける。正当化する。
悪いのはお前だけやってケイトへ押し付けて、『悪人』へと仕立て上げる。
……そんな扱い受けてきたのに…悪夢を見て暴れたり、怯え切ったり…
ちょっとは失望せえや。何であんな笑顔…うちにまで向けるんやって…そう、思っとった。
死ぬまで…馬鹿は、馬鹿のままやった」ぽとっ
フィン「!」瞠目
涙が頬を伝って床へ落ちる。
ロキ「ホンマ…何でや…
何であいつが…死ななあかんかったんや!
魂は不死のはずやろ!!せやのに何で…何で死におった!!!?」ぼろぼろ
ケイト「むー」顔顰め
ロキ「今更っ…瓜二つで、目の前に現れおって…(ぷるぷる)
いっつもいっつも肝心なとこでいのうなって…死に掛けて…遅過ぎるわっ;;(わなわな)
ちったぁ分けろ!!!!!こんのドアホウ!!!!
ひっく…うっ」ぽととっ
双眸から涙が零れ落ちる。ケイトの頬へ音を立てながら…
それからロキは嗚咽を上げながら、ケイトへ抱き着いていた。
そんな風に涙を流すロキなど、滅多に見たことがなかった。
いや…床を濡らす程なく姿は、今回が初めてだった。
死した神…始祖神ウレイオスを悼んでの涙であることを、僕は知っていた。
しかし知らない。どのような日々を過ごしていたのか…
けれど…その涙から察した。
説教が多くはあったが…その間には、確かな想いで繋がっていたことを…
愛し合う、強固な『絆』が確かにあったことを――
ケイトに縋り付き咽び泣くロキに、僕にできることは何もなく…
黙って見守ることしか、できずにいた。