第32章 破滅の狼煙
ケイト「でも…護り切る自信がなかったんだ」
リヴェリア「ああ」
ケイト「私は…また、護れなくなるなんて嫌なんだ。目の前で失うなんてもっと嫌なんだ!」
リヴェリア「ああ…わかってる」
ケイト「だから!…誰かを、連れてったりなんてしたら集中できなく
リヴェリア「わかってる」
ケイト「わかってない!!あの力は…全部を!全部丸ごと消滅させるもので!!」
リヴェリア「それでも…見守りたいんだ」
ケイト「!」
リヴェリア「お前の隣で、近くで見守りたいんだ」
ケイト「っ…」
リヴェリア「後で映像でお前を見た時、私達がどんな気持ちだったと思う?
また守られた。何の力にもなれなかっt
ケイト「そんなわけあるか!!
私は!…皆がいなかったら、ここまで強くはなれなかった!
愛を知らなかった。愛されていたことも気付けなかった!
受け入れてくれた。大切にしてくれた。想ってくれてた!!
全部わかってる!わかってるんだ!!ついてくることぐらい!!
でも…それでも!!
…私は……あいつの前では無力だから、妊婦のままじゃ勝てないからっ;
だから!私はっ!!」
リヴェリア「ああ…お前の気持ちもわかってる。
それでも、傍に居たいんだ。お前の近くで…お前を愛したいんだ」
ケイト「っ;;」ぽろぽろっ
リヴェリア「ちゃんと腹を決めて…帰りを待って…
帰ってきた時に胸を張って、「おかえり」と言ってやりたいんだ」
ケイト「ぐすっ…ぅっ;;
リヴェリア「頼むから…心配させないでくれ(なで)
何も言わず居なくなれば、胆が冷える所の騒ぎじゃない。
お前は他国からも狙われている。そのせいかと心配になるんだ。
…だから、無理を押して頼む。
お前のやり方は悪だとは言わない。
だが…もう少し、周りに伝えるようにしてくれ。
一人で解決できるからと言って、周りを置いて、突っ走っていかないでくれ」
ケイト「…………」こく
そう縋るような頼みに、私は小さく頷いた。