第32章 破滅の狼煙
「神の力を発現させた、か…口で言うのは容易いが」
「元々神の力の一端を持っていたのだろう?」
ロキ「ああ、そうや。でも生物までは生み出せん」ずびっ
「それを龍の力と同時に使い、合一させて強化することで生物にも働きかける神の力としたわけか」
ロキ「ああ。そんで精霊とモンスターを分離させとった。
精霊の実体はモンスターのもので、それを失った精霊の選択肢は二つ。
そのまま成仏するか、ケイトの力となって生きるかだけや。
結果として精霊寵愛が精霊寵愛IIになった。精霊導もな」
ヘルメス「益々英雄譚らしくなってきたじゃないか!!!//」キラキラ
ロキ「喜ぶな!!;」
ヘルメス「最愛の親友だったんだろう!?ノアールとブランシェは!
それが彼女の中で再会!いつまでも共に居られる!
『ノアールを…ケイトを、守ってあげてね…』
そう語りながら彼女の体内へ消えていったという話だそうじゃないか!!//」キラキラ
『おお…』息を呑む
ロキ「ちょい待て…何で知っとんねん」じろっ
ヘルメス「ふっ…現場に立ち会ったのは他にもいる!
おまけに!!天から指す光が妙に彼女にばかり降り注いでいたことも!
全長15mの細長い龍の姿から人に戻って崩れ落ちる中、それを受け止めたとか!
人の姿に戻る際に」
ロキ「リヴィラの奴等以外、目撃者はいないって…アイズたんから聞いたんやけど?」
ヘルメス「ふっ…こっちには目に見えずに情報を探れる優秀な子供がいるんだよ(ふっ」にやり
ロキ「…まあええわ。いずれ英雄譚として明かされることやし。
決闘ごっこやなくなって、世界を滅ぼすか滅ぼさんかの…そう、まさに瀬戸際やった。
夜中に食われかけて、緊急馬車で治療院に行って、目も見えとらんほど衰弱しとって…
ほんで朝の9時に差し掛かった時、誰もいない病室を抜け出してった。
お腹の子達に気を使って全力も出せんから、どんだけ暴れてもたとえ死んでも影響受けず産まれるまで生き続けていられるよう、別空間に分かつ魔法を子宮にかけて病室のベッドの中で置いてった上でや。
目も見えんまま…ノアールと何度も喚くそれと対峙した時、もう遊びの決闘はできんって悟った。
このまま外に出れば、大変なことになる。
それが迷宮の立ち入りを禁止された中、18階層まで行った時のことや」
ごくっ