第32章 破滅の狼煙
「ノアール!ノアール!!^^」にこにこ
ケイト「もう…決闘ごっこはできないのか…?」
笑って呼びかけてくるそれに、私はおどけてみせた。が…
「ノアール!ノアール!一緒になりましょう!
食べさせて!!」
続けられた言葉、それに歯噛みしながら意を決して叫んだ。
ケイト「ブランシェ…もう、決闘ごっこは終わりにしよう」
ぱん
両の手が胸の前で重なり合う。
ケイト「ここから先はごっこじゃない…ただの決闘だ!
かっ!!(魔法円展開)
クリエイト・龍化魔法!」
体の作りを変える中、アイズは駆けつけた。
アイズ「ケイト!!」
ケイト「!」振り返る
アイズ「はあっはあっ…」
ケイト「…(来たのか…馬鹿だな…
いや…私もか(微笑))
元に戻れるかわかんない。それでも…いってくるよ」
ぴしっぴししっ
身体が音を立ててヒビが入っていき、光と化して崩壊していく。
人の形が崩れていく。
後ろを振り向きながら…笑って、ごめんと一言告げた。
ケイト「ごめん…
絶対、帰ってくるから…待ってて^^」
巻き込ませるわけにはいかない。
近寄ろうとするアイズを止める為、僅かに後ろへ振り返りながらそう言い放った。
元の姿に戻れるかもわからない。一つの賭け。
それでも、もう一度龍となろう。身も心も、その全てを。
一度目は【龍人化(ドラゴニュート)】初発動時…二度目は、今だ。
【龍人化】を機に、始祖神としての記憶が蘇りつつあるが…怖くなどはない。
私は迷わず、身体ごと龍と化した。
龍神と呼ばれる、細長く、鱗と爪を持った姿へと…
ケイト「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」
「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!!」
咆哮が響く。「食べさせて」と笑う精霊の声が響く。
拡がる闇、それが目の前だけでなく周囲にまで拡がりかけた矢先。
きっ←龍となったケイトが闇を睨み据える
かっ!!←龍から光が解放される
次の瞬間、神々しい光で溢れた。
始祖神のその光は、従来の神をも超えており、迷宮の元さえも作り得たその力に伴い、憎む対象ではないと迷宮は判断したのかもしれない。←648ページ参照
迷宮に異常事態は発生せず、そのままで…静観しているようにも見えた。
二つが交差し合う中、それらは拮抗する――